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2004年10月14日

「無」の時間・・・(石川 元)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

「新郎・新婦ご入場でございます」扉が開き緊張した面持ちで、入場してくる2人を迎える参列者の拍手!この拍手の大きさで、その披露宴がどれくらい盛り上がるか・・・。
司会者がどれほど奮闘しなければならないか・・・だいたい察しがつくものである。

葬儀の場合は、披露宴ほど司会者が関与できるわけではないが、静かな環境を整えてあげることくらいは、司会者にも出来るような気がしている。

地域によってやり方は様々だと思いますが、開式前にナレーションをやるケースが多い東京近郊では、例えば5分のナレーションなら開式前の7分前からナレーションに入り、残りの2分ほどはBGMも消して、沈黙の時間を作ってもらう。
(このやり方が、お勧めと言う訳ではありませんし一つの方法に過ぎませんが・・・)
私が担当させて頂く現場では、葬儀社さんにそうお願いしています。

ナレーションには、皆さんの気持ちを故人に向かわせる大きな役目があると思いますね。
こんな事を言うと語弊があるかも知れませんが、義理で来ている参列者が多ければ多いほど、ナレーションの効果はあると思います。

沈黙は金なり!身動きする人も無く、皆の気持ちが一つになり故人に向かう瞬間――。
私は、この「無の時間」が、とても好きなのです。

今日はホテルでのお別れ会。
1000人以上の参列者で、ロビーが埋め尽くされました。広い会場に花祭壇のみが設置され献花が済んだ方から、別会場に移動しての豪華なお食事。立食で、お酒も入り、ことさらお話も弾んでいる様子。そのお食事の会場での発起人のご挨拶、そして閉式という段取りなのですが・・・。

発起人のご挨拶を静かにして聞いてほしい。どうしたらいいか?
お食事付きのお別れ会でのいつもの私の課題です。
インフォメーション的な前置きのアナウンスをして、挨拶をご案内する、もしくは献奏を提案してみたり、少しずつ会場を暗くして、和歌から入るナレーションを入れてみたりと手は尽くしているのですが、なかなか皆さんの「聞く」という態勢が整いませんね。

主役である故人へ・・皆さんの気持ちを向けて頂き 挨拶、閉式と進行したいのです。
「十分、気持ちは故人に向いてるよ」という方は大勢いて・・・(もしかしたら、私のエゴかもしれませんけど)いい方法が見つかったら、お伝えしたいと思います。

95歳の故人・・・寡黙で優しい行動派!!立派な方でした。ご冥福をお祈りします。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2004年10月14日 00:38

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