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2004年10月10日

たわわに実る林檎(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

大好きな中央高速道では、車窓から見える山々の緑が、私の疲れを癒してくれる。
空気も眺めも風の爽やかさまでもが、東京とは別世界のN県へと行ってきた。
カレンダーでしか見たことの無いような秋の実りの風情をこの目で見て、食べて・・・。
雨に濡れたコスモス、小菊、秋の花々がしっとりと美しい。

ある葬儀社の5周年事業の一環としての講演会だった。
「従来型の葬儀からの脱皮」というタイトルで、旧態依然のやり方からいかに変わって行くか、行けるかといった内容を顧客満足からの切り口でお話させていただいた。

無宗教葬にいたっても今やジワジワと東京近郊から各都道府県へと浸透しつつある。まだまだ時間がかかるとしても、新たなる戦略として心の準備はしておく必要がある。あくまでも葬儀はお客様主導で進められるもの。お客様が求めていることをどこまでサポートできるか・・・に、葬儀社の将来はかかっている。私の現場体験談や、今私が勉強しているグリーフサポートの心理学的見地から、葬儀のお客様への顧客満足をたっぷりと2時間半、お話させていただいた。

研修会は日帰りが多く、前日に泊まったとしても遅い時間にホテルに直行が多い。
ましてや受講生の皆さんと飲む機会はほとんど無い。しかしそういう時にこそ本音の話しが聞けて私は好きである。今回は5周年事業ということでこの日は会場となっている宿に留まり祝賀会にご一緒することになっていた。取引業者、葬儀スタッフ、関係者に混じって私も末席に座らせていただいた。数十年振りの座布団に座ってのお座敷宴会だった。とにかく皆さんはお酌が上手で、次から次へと私の所に来てくれる。コップのビールがいつまでも減らない。喋って飲んで食べて 又、喋り飲み、食べた・・・。

葬儀や接遇の話に花が咲く。皆さん「ああだ!こうだ!」とこだわりがある。「先生っ、私はこう思う」という話が私は大好きだ。こだわりとはその人のやり方であり、やり方がある人というのは、仕事について深く考えている人であり成長している人なのだ。10人いたら10人の想いやお客様に対する対応は違っていい。そこにお客様を想う自分があればそれでいいとさえ思う。

会社を林檎の木の根っこに例えれば、たわわに実る林檎はスタッフの一人一人。育とうとする実に陽射しや栄養を与えるのが会社のトップ。その存在のすべてが根っこを根付かせ強い嵐にも倒れない会社や人を作る。一人一人が真っ赤に熟すよう育てて、もしかしたら世の中に送り出すのかも知れない。
この葬儀社では、トップがスタッフを育てようとする熱意と、スタッフ自らも育とうとする熱い気持ちを感じた。

余興コーナーではお祝いに「涙そうそう」を歌わせていただいた。舞台の上ではいつの間にかバックダンサーズ5~6人が(もちろんさっきは受講生だった葬儀スタッフの面々)私の歌に合わせて踊る踊る・・・。客席からは、割り箸にはさんだおひねり!が差し出され、鉢植え、タオルセット・・・と豪華お土産付き!心を込めて歌いお腹を抱えて笑った。久し振りの楽しい宴会だった。葬儀社の皆さんお招きいただき本当にありがとうございました。

翌日!大型台風襲来。電車が停まったらエライことになる。研修担当者の機転で早く宿を出た。特急が停まる駅まで雨の中車を飛ばす。雲がかかった山々や三角屋根の家々を窓越しに眺め(私なりに楽しみながら)中央線の駅まで送っていただいた。たまたま乗った特急が午前中であるのにこの日最後の列車だった。「台風の影響でこの後の列車から運休です」のアナウンスを聞いて「セーフ!ああ・・・良かった」と安堵した。車を飛ばしてくださった担当者さん、大雨の中を本当にありがとうございました。そして皆様大変お疲れ様でございました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2004年10月10日 00:40

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