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2004年10月05日

「無宗教葬」に想う・・・(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

今、多くの遺族(故人)が「無宗教での葬儀」を望んでいる。
全国的にまだまだその数は少ないだろうが、東京周辺から近郊に至っては随分増えている。多くの方々が、どこかで「無宗教葬」への参列を体験し、その形を選び始めているのだ。

「無宗教葬」と従来型の「仏式葬」との比較ではなく、故人や遺族というお客様が、ご自分の葬儀をどのようにしたいと考えておられるのか。

今までの時代、お客様側は、自分や身内の「葬儀」についてはあまり考えなかった。はっきり言って避けていた。ところが今、日本中に葬儀についての情報があふれていて、消費者は否応無くそれについて考えさせられている。時代の流れと共にその意識も変わって行くのが自然だ。ものにお金をかけない風潮もある。又様々なものに、納得してお金を払いたいという想いも強くなっている。だからこそ葬儀の形だけではなく、「葬儀」について深く考える習慣は、これから益々増えて行くと思う。

葬儀で司会をさせていただきながらいつも思うのは、「無宗教葬」を選ぶ遺族は、「このような葬儀にしたい」という、はっきりとしたイメージを持っていることが多いということだ。祭壇の形式、写真の種類、別れの言葉、お気に入りの曲、思い出の品物、お返し物・・・。個人葬でも、式の進行まで喪主様自らがプランすることもある。
それに対して葬儀社側や、司会者はどのようにサポートするか・・・。
仏式葬では寺院様におまかせしている読経の大半の時間を 葬儀社側が「無宗教葬」として意味のある内容でプランして行かなければならない。ここではあらかじめ決った式次第に当てはめることは、はっきり言って意味がない。スタッフの力が試される。

「葬儀は、故人が変われば、すべてが変わる」
「その故人(遺族)だけのために、葬儀を作る」
「目の前にいるお客様のために、パーソナルなサポートを尽くす」
これからの時代益々、葬儀スタッフには、しなやかでやわらかい感性が求められていく。
そして、これは「無宗教葬」だけに限らないということ。

遺族は心の中に、「どんな想い」を抱えているのか。悲しみはもちろん、不安定で複雑な気持ちをどのような形で、我々葬儀スタッフに伝えようとしているのか。そして我々はどこまで、その「想い」に気づき、サポートしているか、できているか・・・。
その答えは、お客様だけが知っている。
今、葬儀を仕事にする人々の「企画力」と「人間力」が求められている。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2004年10月05日 00:42

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