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2004年11月27日

接遇研修会in兵庫(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

葬儀スタッフ向けの教育研修会は、この数年とても増えてきた。
ほぼ15年~20年前に、一般企業に異業種が参入し始めた時期があった。
その時、日本中の企業が自社の生き残りをかけて「顧客満足」「C.S.」などを目的に、こぞって接客研修会やマナー研修会を開催するようになった。
その頃に私は研修講師としての仕事をはじめ、様々な企業へ出向き講師としての修業を積んだ訳だが、葬祭業界は一般企業から大体15年程後ろを歩いている計算だ。
葬祭業界全体は遅れているのかも知れないが、その中でも「顧客満足」について真剣に考える葬儀社の経営者や、今、元気な葬儀社は、多分随分前からその戦略に「顧客満足」を掲げて取り組んできたことだろう。

  

そして今回は、その葬儀社組織としての初めての教育研修会だった。
今まで一切、教育を目的とした研修会をしていないということだが、今までそれで済んだということは幸せなことかも知れない。
「接遇」「顧客満足」「C.S.」「グリーフサポート」などという言葉を初めて聴く受講生も多くいたようだ。
私はなるべく分かり易く、現場体験の事例を含めて説明をし、葬儀の接遇を実践した。

  

この地域は、まだ自宅葬や寺院葬が中心ということで、ホール接遇の動きすら初めて体験する人が多かった。
自宅での葬儀が中心ということは、地域の方々が率先し、様々な形で「お葬式」を仕切ってくれる場合が多い。
何から何まで地域の葬儀に詳しい方が手伝ってくれる。
他の研修会では「手出しをすると怒られる」と言った受講生もいた。
(これは手出しの仕方の問題だと思うけれど・・・)
やってもらえるということは、葬儀スタッフにとって非常に楽なことだ。
そしてそれで済まされる長い歴史が続いてきた。

  

「しかし!」 葬儀に詳しい方達もそろそろ高齢になりつつある。
炊き出しをしてくれる地域のご婦人だって、いつまでも元気だとは限らない。
地方の葬儀に至っても、この数年で都会の葬儀がどんどん簡略化されて来たのと同じような道をたどるだろう。
そして、葬儀に詳しい地域の人の手伝いも早かれ遅かれ無くなって行くだろう。
私が研修会で伺う、地方の自宅葬中心のどの葬儀社さんも、そのことには非常に危機感を持っている。

今までのやりかたを変えて行くことには、並大抵ではない覚悟とエネルギーが必要だ。
葬儀スタッフ、社員の協力も必須であり、その道のりも決して平坦ではない。
私はいつも講師という立場・役割で、心から支えて行こうと思っている。

「千里の道も一歩から」「山も登り始めないと、いつまでも頂上には辿りつかない」そして人を育てると言うことは多くの時間と労力が必要だ。
これについては「一日でも早く、教育を始めること」それしかない。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2004年11月27日 23:12

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