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2005年01月28日

~ミュージックセラピー・コンサート~(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

私は講師の仕事と共に、音楽家としてミュージックセラピーの仕事をしている。
20代の頃、歌を歌って舞台やライヴステージの派手な世界で仕事をしていたが、
ある時期、自分自身も音楽に安らぎや癒しを求めて、
いつの間にか入って行った世界が、ミュージックセラピーだった。
小さい頃から音楽が大好きだ。
何はなくてもいつも私の傍らには音楽がある。
音楽無しでは生きて行けない。
もちろん20代の頃の活動があってこそ今の私があるのだが、
お金を儲けるためのものでも、他者と競走するためのものでも、
自分を大きく見せるための物でもなく、あるがままの本当の私を
音楽で表現出来る現在が、一番幸せだ。

東京都内のいくつかの保健所で、心に精神的なダメージを持つ方々向けの
音楽の時間を持たせていただいている。
ミュージックセラピーを始めた頃は、
ステージの世界をそのまま取り入れようとした。
上手に歌い、上手くピアノを弾けばいいと思っていた時期もある。
気負って何か特別なことをしようとすると、ことごとく失敗した。
無駄な物を削ぎ落としながら、私だけの形を追求しながら、
繰り返し実践をしてきた。
気がつけばあっという間に10年近く。
セラピーを実践しながら一番勉強をさせていただいたのはこの私だ。

その中で、カウンセリングの勉強は、なくてはならないものだった。
セラピーの実践では、「同質の原理」という方法を大切にしている。
これは相手の状態をよく観察し、今ある状態をそのまま受け入れて、
こちらもそれに近い形で接するというものだ。
それが悲しい気持ちでも、辛い気持ちでも、怒りの気持ちでも、
否定せず受け入れて、そのままの心に添ってあげるのだ。
セラピーには、場を盛り上げることなど必要は無い。
そのままの状態で、音楽を使い相手と共に向き合う、それだけだ。

私はこの方法を 葬儀の現場でも活用している。
葬儀で出会うお客様も広い範囲で、
心に悲しみというダメージを持った方々なのだ。
励ましたり勇気づけたりは無意味な行為であり、
いかにその方の悲しみに添った応対をするかということこそが、
葬儀接遇の基本だということを実感している。

1月末に退院をしたら療養も含めて2月いっぱいは、
春頃に第2段をリリースする「葬送BGM」の作曲にとりかかる。
葬儀の現場での司会やお客様サポート、そしてミュージックセラピーの場所で、
悲嘆の心理に寄り添い共に歩いた方々への想いを
そのまま五線紙に表現していこう。

   

先日、東京都渋谷区保健所主催の会で、
「ミュージックセラピー・コンサート」をさせていただいた。
集まった皆さんとは、心も体も自由に解放して、
大きな声で歌い、踊り、深呼吸した。
来年度は長年の経験を生かして、悲嘆心理を音楽でサポートする活動を始める。

 

「目の前にいる方の、そのままの気持ちを受け入れる」 
葬儀の接遇も音楽でのサポートも、
悲しみのお客様を大切にするということに、変わりは無い。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年01月28日 22:13

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