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2005年03月26日

入院日記から ~電子カルテ導入~(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

退院後、最後の診察に行った。
検査は無事にクリアし、晴れて病気から解放された。
3月に入りほぼ以前通りの生活に戻った。
後は少しずつ体力を戻して行くだけだ。
その病院では、私が入院していた1月頃から
「電子カルテ」の導入に向けての準備が始まっていた。
そして2月末からいよいよ「電子カルテ」は導入された。
「電子カルテ!」ナンて格好いい響きだろう!
きっと、手書きの数十倍?
いや数百倍以上の情報が記録されるのだろう。
カルテを手書きで書いていた時代が終って行く・・・。
すごい時代に私は遭遇している。

そういえば、おととしの秋頃から、MCプロデュースもいきなり電子化した。
社長の井手から『新しいノートパソコンを買え!』との命令が下り、
我が家までブロードバンド化させ、
家のどこにいても無線ランでパソコンを使えるようにした。〔これが結構便利!〕
最初は、会社の電子化に着いて行けずに随分抵抗したが・・・。
今となってみれば研修会も「パワーポイント」のスライドで開催できるようになり、
鍛えてもらってよかったと思っている。
今も時々不安なことがあるが、井手や工場長に支えてもらいながら
結構頑張っている私がいる。(人間、切羽詰ると力を発揮するものだ!)

実家の近くにある婦人科の病院も最近、電子カルテになったらしい。
しかし・・・
そこに通院する叔母が嘆いていた。
現在の医師の亡くなったお父様は叔母の主治医だった。
そのお父様は診察の時、叔母の話をよく聞いてくれて、
顔色や声や細かいところを目で見て、肌で感じてくれた。
ゆっくりと会話をする内に気分まで楽になったと言う。
ところが今、その息子に変わってからは病院が電子化して・・・。
その息子の医師は診察の時、パソコンの方ばかりを見て、
キーボードばかりを打って、叔母の顔すら見てくれないと言う。
『さびしい・・・』と叔母はつぶやいた。
私の入院した病院は、カルテを打ち込む時、キーボードを看護師が打つという。
医者は患者と向き合い、その記録を傍らで看護師が記録する。
患者は落ち着いて医者と話が出来るだろう。
キーボードを打つ看護師は訓練を必要とするだろうが、
カルテが電子化しても診察まで電子化して欲しくない。

私は「葬儀の打ち合わせ」は病院で言うところの「問診」そのものだと思っている。
遺族の様子、想い・・・顔を見て、その悲しみを察しながら、
思いやりながら進められるものが、「葬儀の打ち合わせ」であって欲しいと、
常々研修会でもお伝えしている。
その打ち合わせで、葬儀の担当者がキーボードをたたき出すなんていう将来は無い
と信じたいが、これからどのように変化して行くかは私にも分からない。
「葬儀の打ち合わせ」は、担当者と遺族が気持ちを近づけ合いながら進められるものだ。
そこには「人と人」との「呼吸」とか「言葉」とか「こころ」が存在する。
昨年あたりから「受注打ち合わせの勉強会」をして欲しいという研修依頼が増えている。
葬儀の流れの中で「打ち合わせ」は、葬儀社や担当者のことを理解してもらい、
遺族の信頼を得るためのとても重要な場面だ。
世の中の様々なことの電子化はさらに進んで行くだろう。
葬儀も同じだ。
しかしもう一方で、さらに「心のつながり」というものこそ
「葬儀のお客様」は求めているということを忘れずにいたい。


〈井手の割り込み〉
加藤も無事に社会復帰?致しまして、
今日は朝の10時から葬送BGMのレコーディングです。
一日スタジオにこもることになるでしょう。
頑張りまっせ!

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年03月26日 03:14

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