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2005年03月20日

鉄は、熱い内に打て!・・・島根接客研修会(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

宍道湖の夕焼けを眺めながら出雲空港に降り立った。
島根県には随分前だが2回ほどコンサートの仕事で来ている。
しかしナンとその2回とも悪天候で隣の米子空港に降り立っているのだ。
去年の出張は台風などで飛行機や新幹線の移動でエライ目にあった。
今回も島根県では大雪が降った翌日ということで嫌な予感がしていたが、
無事に降ることが出来てほっと胸をなでおろした。

宿泊した某駅前のホテルには、なんと大浴場があった。
ビジネスホテルに大浴場。
「この発想は素晴らしい!」狭いユニットバスに体を丸めて入るよりも、
伸び伸びと気持ちまでのんびりできる大きなお風呂。
ジャグジーあり。
おまけにマッサージ器が使い放題。
「お好みの硬さをどうぞ!」と枕まで廊下に準備されている。
見ればそれほど大きくないその町の駅前には、いくつものビジネスホテルが林立している。
ビジネスホテルも生き残りのためのサービスの競争なのだろう。
従業員のサービスもなかなかいい感じだった。

島根県で教育研修会があった。
お客様に対する接遇を切り口に葬儀スタッフ向けの1日研修会をさせていただいた。
今まさに異動の時期ということもあり、新たに葬祭業に入る受講生も多く集った。
すでに現場の仕事を任されている人も含めて、
日頃自分が行なっていることを見直す機会としての研修会は、
これからの目標をみつける上でも絶好のレベルアップのチャンスである。

  

私が伺う葬儀スタッフ研修会にも、昨年あたりから新卒社員が随分増えてきた。
時代の流れというのか、葬祭業界に新しい息風が吹いている。
素晴らしいことだ。
葬祭業界に限らないことだが、新人の教育というのは「初めが肝心」、
真っ白なその色は環境にすぐに染まる。
周りにどんな上司、先輩がいるか、その上司、先輩が何を考え、何をしているかを
本当に素直な気持ちで、あっと言う間に吸収してしまうのが
新人の良いところでもあり、怖いところでもある。

以前私が派遣社員として現場に出ていた頃、初めの頃は
私も派遣先の葬儀社の担当者や社員のやり方を見て真似をして行った経験がある。
知らない内に良くも悪くも、その人たちのやり方が
私のやり方になって行く「怖さ」を体験した。
特に新人の男性派遣社員(人材)などは決った葬儀社に派遣されることが多く、
その葬儀社の社員のやりかた、お客様への接し方、葬儀に対する考え方など等を
すぐに真似をして身につけて行くのを見ている。
現場に出て半年も立った頃にはもうそのやり方が、
そのままその新人派遣社員の形として身についてしまう。
それが「良いやり方」ならその派遣社員は幸せ者だ。
しかしその逆もよくあった。
社員と一緒になってお客様を笑い者にしていたり、一緒になって文句を言っていたり・・・。
その新人にとっては他のやり方を知らないわけで、不幸なことに一生
「葬儀の仕事なんてソンなモノ」と言う甘い考えを身につけてしまう場合もある。
「鉄は熱い内に、良い形に打たないと、固まってしまうんだなあ」と
気の毒に思った記憶がある。
特に葬儀の接遇応対は、先輩のやっていることを見よう見真似で、
何となく身につけて行けるものでは無い。
* どうして葬儀スタッフが、それをしなければいけないのか
* 何故、そこでお客様に対してそのような行動をとるのか
といった「接遇理論」や「お客様の心理」を理解することと、
* 気持ちをどのように、自分の体で表現するのか
* どうしたら一番効率がいいか、仕事がし易いか
といった「接遇の実践」を具体的に動いて、現場で体感し身につけて行く必要がある。
そしてある程度長い目で見て、繰り返し繰り返しの教育が大切だ。
今や葬儀の仕事も「仕事だから何となく」とか「個人的な気分やその場の雰囲気で、そこ立っていればコトが済む」というやり方で生きて行ける時代では無くなった。

  

新人の皆さんは元より、受講したスタッフ全員が1日も早く
「会社になくてはならない人財」に育って欲しいと心から願いつつ、
共に葬儀の接遇について考えた1日だった。
「島根の皆さん、大変お疲れ様でした。頑張りましょう!」


〈井手の割り込み〉
昔ドラマのロケで宍道湖に行きました。
3日間ほど滞在したのですが、その時に食べた「あご飯」というのが美味かった。
確かトビウオのフレークだと思いますが、最近島根に行ってもお目にかかれません。
一体あれはなんだったのでしょうか?
実は島根に行くたびに、そのことが気がかりなのです。
どなたかご存知ですか?

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年03月20日 03:19

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