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2005年03月15日

運命の人(関谷 京子)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

私には史子ちゃんという遠く離れた旧友がいる。
その人の名を思い起こすだけで、胸がキューンとする間柄である。
(決して変な関係ではございません)
彼女はある意味、戦友でもある大切な大切な人なのだ。
(詳しいことは二人だけの秘密なので、ここでは語れませんが・・・)
彼女とは17才の頃、神戸で同じ音楽のレッスンで知り合った仲だ。
タイプはじゃじゃ馬娘の私と違って気品があって、
17才にして既に、エレガンスな雰囲気を持ち備えた子だった。
21才で私が上京する時、新幹線のホームまで見送ってくれたのは、
レッスンの先生と史子ちゃんだった。
ドアが閉まるなり私は子供のようにヒックヒック泣いたのを覚えている。

彼女は数年後結婚し、倉敷へと嫁ぎ、東京との距離がより離れ、
私たちはほとんど年賀状だけの関係が何年も何年も続いてしまっていた。

そして、なんとそれから10数年の時を経て・・・
私の遅―い38才の結婚式に、彼女は、はるばる倉敷から出向いてくれた。
教会式が終わり、赤いバージンロードを歩きながら、
私はひたすら史子ちゃんを目で探し、
友人の中で唯一泣いている彼女と目が合うなり、
私も涙が吹き出した事が、昨日の事のように思い出される。
それ以来、携帯のメールでのやりとりをするようになり、
昨秋、思い出の詰まった神戸で待ち合わせをして会った。
やっぱり何故か自然と泣けた。
(良く泣く2人なのだった)

水が染み入るように、会うなりあっという間に昔の関係に戻れる。
それだけではなく現在も、また未来をも全てを共有し語り合えてしまう不思議。
心からの信頼とは、こういうものなのだろうなとしみじみ感じた。
そして別れの時間が来たとき、私たちは約束をした。
毎年秋には、この泣いたり笑ったりして
青春時代を過ごした神戸で必ず落ち合おう・・・と。
私は感謝したい。
彼女と知り合わせてくれた全てのものに。
年を重ねることがこんなにも素敵な事なのだと、
わたしは史子ちゃんとの再会で教えられた。

追伸
お母様、ご無沙汰しております。
まだまだ寒い折、どうぞお身体ご自愛下さい。
いつかもう一度お会いしたいです。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年03月15日 03:24

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