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2005年03月13日

葬儀スタッフが成長するとき(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

9日、10日と、東北の某葬儀社さんで現場スタッフ向け研修会があった。
葬祭ホールを立ち上げて1年程の葬儀社。
現場スタッフ一同、無我夢中で走って来た数ヶ月だったと思う。
社員とパートさんを含めたスタッフ全員が一同に揃っての集中研修会だった。
何をしていても皆が迷うこの時代、葬祭業界もしかり。
地域の同業他社との熾烈な競争の中で、スタッフ達も思い切りその戦いにさらされている。
昨年あたりからの葬儀社スタッフ研修会は、そんな不安な気持ちを抱えたスタッフに、
気持ちの部分の統一を図ることから始まることが多くなってきた。
研修会ではお客様を満足させるような「接遇理論」を身につけることも必要だ。
しかし葬儀社全体の意思の疎通が出来ているかいないかは、
それ以前に大切なことであり、最近は仕事への意識改革にも研修の時間を割いている。

  

葬祭業は狭い世界での仕事、喪家は違ってもある程度同じことの繰り返しであり、
自分がやっていることに「これで本当にいいのだろうか」という不安は常につきまとう。
これは誰でもが同じだ。
逆に不安や疑問がわかない仕事のやり方の方が違うとさえ思う。
頑張っている人というのは、「こうなりたい」という理想の自分や
「このようにしたい」という理想の葬儀がある。
「こうなりたい」と思っている自分に近づけない現状を「問題」として抱えるのだ。
経営者も同じで「こういう葬儀社にしたい」「こんなスタッフに成長して欲しい」
というイメージがあってはじめて「そうなるように行動できる」のだ。
人は「どうなりたいのか」をイメージできないといつまでも変わって行けないし、
何をしていいのかすら分からないものだ。
「迷い」や「不安」は、成長の過程に必ずつきまとう。
そしてそれを越そうとする時にスタッフとして大きく成長するような気がする。
研修会を通して、悩んでいるのは自分だけじゃないということを知るだけでも、
気持ちは楽になる。

  

ホールを使ったロールプレイング研修では、
今まで積み重ねてきた接遇スキルを披露してもらった。
ホールが始まって短い期間ながら、それぞれのスタッフが
それぞれの持ち場で創意工夫をしながら頑張ってきた様子がよく分かる。
それぞれに一生懸命、動作や言葉を見せて聞かせてくれた。
そしてひとつひとつに細かい指摘をさせて戴いた。
葬儀の接遇にゴールは無い。
常に目の前にいるお客様がどうしたいのかを察する感性が求められる。

どこの会社でも、今抱えている問題を真剣に越して行こうと
スタッフ全員の気持ちが同じ方向に向いて、
それぞれが自分のこととして真剣に努力をし始めれば、
どんな困難も乗り越えて行く葬儀社になるだろう。
最終的には誰の為でもない、自分のために仕事をしているのだ。
「皆さん、これからが勝負です。頑張ってください。東京の空の下から見守っています!」

 

〈井手の割り込み〉
上記の写真はFUNET追悼文の展示例ですが、
館長さんにお聞きしたところ、ご遺族様の評判はとても良いとのことです。
追悼文を一読して嗚咽を漏らし、故人の人生の歴史を改めて振り返る。
型通りの味気ないお葬式ではなく、
故人のために何かやって差し上げたいと思うのでしょうか。
是非参列者にもコピーして渡して欲しいと望まれる方が圧倒的だそうです。
身近な人の死に際して、人は改めて命の儚さや尊さを学び、
人と人との繋がりや絆を実感されるのでしょう。
今月に入りFUNETの契約数が順調に伸びています。
ありがたいことです。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年03月13日 03:25

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