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2005年03月02日

司会研修を終えて(井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

ある全国組織の東北6県合同の司会研修会を終えました。
綜合ユニコムの編集長福田氏とGSIの橋爪氏と私の三人で、
時間を振り分け、各自の分野でそれぞれ講演形式の研修会が催された。
年に何度も訪れる仙台だが、この日は寒かった。
会場となったホテルは、去年のYシャツ事件ホテルの対面に建っている。
一瞬嫌な思い出が頭をよぎった。

その研修会は、100名以上の方がご参加されて盛況だったが、
参加者は司会実務をあまり経験されていない方が多く、
表現理論などがどこまでご理解いただけたか少し不安である。
(・・・司会実務研修は、実践を伴わないと体験できませんから)
今回の研修を契機として、司会に対する意識が変わってくれればありがたい。

研修の内容自体は主にベーシック講座の抜粋だが、
関谷京子さんの新作BGM(春頃発売予定)でナレーションの実演をした。
しかも、FUNETのトップページで掲載しているものを
そっくりそのままのデモンストレーション。
んー、なかなか好い感じに出来上がっている。
(後は加藤の葬送BGMピアノバージョンだが、現在8曲まで出来ている。
が、ここからが大変な作業が待っているのだ)
また、FUNETの宣伝も少しさせていただいたが、
PCを使うことにまだまだハードルがありそうである。
しかしこれからの時代には、業界にとって必須アイテム。
後々後悔しないためにも、前向きに取り組んで欲しいと思う。
最後に、
今回いろいろとご尽力くださった、清月記の菅原社長に感謝申し上げたい。
(当日帰社したのでゆっくり御礼が言えなかった)


さて今日は、「伝説の新人」と題して、あるエピソードを紹介します。

この話は、都内の業者の間ではとても有名です。
とある返礼品業者の新人さんがこのお話の主役。
入社したばかりで現場経験が浅いことから起こった悲劇。
いや喜劇と言えるでしょうが、それにしても・・・。

その日彼は、入社以来、初めて一人で通夜の現場を担当させられました。
緊張しながら式場に到着し、葬儀社の担当者に挨拶と納品を済ませ、
返礼品をテーブルの上にセットしました。
後は弔問客に失礼のないように配れば良いのです。
しかし残念ながら、若い彼にはお通夜やお葬式に参列した経験がありません。
どこかおどおどした態度に、葬儀社も不安を募らせてはいましたが、
それほど難しい仕事回りとも思えず、慣れていないから不安なんだろう、
というくらいにしか考えていませんでした。
彼は大学を卒業したばかりだったのです。

一般的な東京のお通夜の流れは、
閉式まで式場内に残るのは主に遺族・親族と親しかった関係者のみで、
普通の弔問客は焼香後にお清め会場(お斎の席)へと移動します。
導線にもよりますが、その日の通夜返礼品を渡すタイミングは
焼香後に式場出口を通過して、帰路とお清め会場の分岐点で
お渡しすることになっていました。
つまり彼は、この返礼品引渡し場所で待機していたのです。

お通夜が始まり、式場内の遺族・親族の方々の焼香が済んで、
いよいよ参列者や座りきれない弔問客が焼香へと進み始めました。
焼香後は、何人か連れ立ってお清め会場に寄っていかれる方、
忙しいからとそのまま帰られる方・・・と様々ですが、
いずれにしても導線は一方通行ですので、
彼が待ち構えている返礼品引渡し場所の前を通過します。
一列になって式場から出てこられたその一人一人に声を掛け、
引換券と交換に品物をお渡しする業務が始まりました。
順調に人の波が流れています。

ただその日のお清め会場(お斎の席)は2階でした。
ですから、返礼品を受け取られた弔問の皆様に、
飲食接待案内の係りの女性が、入れ替わり立ち代りに
わざわざ2階から降りてきて、
『お二階へどうぞ』と盛んに声を掛けていました。
それでもご遠慮される方が多く、案内の女性は
何とか会場に足を運んでもらうべく、熱心に何度も案内をされていました。

と、通夜の途中から人の波が滞り、返礼品引渡し場所が混雑しています。
ふと見ると、彼がいません。
(困ったもんだ)トイレにでも行ったかなと思い、
すぐさま別のスタッフをその場所に配置しました。
5分経っても戻らないので、お腹の調子でも悪いのだろうということになって、
そのまま応援のスタッフが返礼品を渡していました。
しかし、15分が過ぎ・・・やがて通夜は終了しましたが彼は戻りません。

一体何処へ行ったんだ、逃げたのか?
などと言いながら、遺族・親族の方々を2階の会場へ案内したその時です。
顔を真っ赤にして、注がれるままビールを飲んで、
寿司を食っている彼がいました。(かしこまって正座していましたが)

『おい、何やってるんだ?』
『・・・はい?』
『何で、ここで寿司食ってビール飲んでんだお前は?』
『はい?・・・でも係りの女性の方がお2階へどうぞって』
『・・・』
『おかしいな?とは思ったんですけど・・・』
『・・・(馬鹿、お前の頭がおかしい!)』

案内係の女性は、近所のお手伝いの方だったのですが、
返礼品を配っている彼に、スタッフとしてのオーラがないためか、
ただの弔問客と勘違いをしたようです。
それにしても、常識で判断できるだろうとは思いますが、
恐ろしい新人がいたもんですね。

この業者は当然出入り禁止になりました。
これ、ネタではありません。
笑うに笑えない本当の話です。
でも面白すぎて、私は笑いましたけど・・・。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年03月02日 03:33

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