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2005年05月20日

メモリアルリポート<通夜・葬儀のときのアドリブ> (橘 貴美子)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

結婚式などでは、ハプニングがあっても
「お目出度い席に免じてお許しください。」
などと言えば済んでしまうこともあります。
また、「これはリハーサル、では、もう一度最初からお願いしましょう。」
というふうにアドリブをいれることもしばしば。
けれど、葬儀で常套文句のアドリブ・・・?

通夜(無宗教)で、思い出の曲を故人に贈る場面がありました。
司会者が曲目を紹介したまではよかったのですが、
CDデッキの機嫌が悪かったらしく、なかなか曲がかからないのです。
担当者は、冷や汗もので何度もボタンを押して
やり直しているにもかかわらず、音は出ません。
慶事ならば、
「アツアツのお二人の熱に、機械の方もアツクなったみたいです。
機械の熱が落ち着くまで、私がアカペラで一曲・・・」といって、
その場をおさめることもできるのですが、弔事ではそうもいきません。
こんなとき、あなたならどうしますか?

思い出の曲は、千昌夫の「星影のワルツ」だったのですが、
故人はこの他にも1960年代にヒットした曲を良く聞いていたので、
そのCDに入っていた何曲かの題名をあげ、
これらの曲も故人のお気に入りだったこと、
当時実際にレコードを買ってきて夫婦で聞いていたことなど、
はじまる前に耳にしたことを頭の中で文章を作りながら、
1分半くらいだったでしょうか、アドリブでお話しました。

その間に他の係りの方も応援に駆けつけてくれ、何とか曲がかかりました。
これ以上長くなっていたら、ネタもなく
「曲がかかるまで今しばらくお待ちください。」
と言うほかなかったかもしれません。
この時は、あたかも最初から予定されていたコメント・・・
のように感じさせることが出来、うまくつなげました。
しかし取材したネタなどがない場合、
歌詞を朗読するのも一つのやり方かもしれません。

ハプニングがあることを考慮して、CDについている歌詞カード
にある曲のネタなどは見ておくといいと思います。
無宗教のときは、できるだけ家族の声を拾っておくようにすると
コメントにもオリジナリティがでるでしょう。

弔事のアドリブは、言葉づかい一つとっても
おチャラケられないので、難しいと思います。
滞りなく司会進行するための心構えとして、どんな時も
ハプニングのシミュレーションをしておくことは必要だと感じました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年05月20日 19:15

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