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2005年09月19日

テニスルックで送る会 (橘 貴美子)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

残暑厳しい日で喪服など着たくない、午後2時からの送る会でした。
会葬者は全員上着も着用しない軽装で、スポーツウェアの方もいました。
故人はテニスを教えていたので、テニスウェアでという連絡があったそうです。
そうはいえども喪服の方がいたりするものですが、
今回は一人として黒い服を着ている会葬者がいませんでした。
そうと知っていれば、司会の私も超ミニのテニスコートで司会をしたのに・・・?

家族は父と娘一人なのでしょうか・・・
娘さんのこだわりはかなりのものがありました。
黙祷に続いて20分ほどの遺族手作りのスライド、
(弊社に依頼していただければDVDにでも出来たのに、少し残念)
原稿もかなり推敲したのでしょう、素人とは思えないほどしっかり作ってあり
司会は画面に合わせて読むだけでした。
その後、献杯・食事(立食)さすがに歌いだす人はいませんでしたが、
大変な盛り上がりようでした。
そして謝辞・閉式、それから献花をしました。
献花をした方から退出、それを遺族が出口で見送り、とこれが全体の流れです。

通常と少し違うのは、最後に献花をもってきたことと、退出後時間のある方は
もう一度式場内へ戻って食事歓談をしてもらうようにしたことです。
また献花してもらった花は、一本一本丁寧にラッピング処理を施してあり、
残った人達に持ち帰ってもらうようにしました。
ですから閉式は、パーティでいうと中締めにあたるでしょうか。

送る会にもいろんな形があっていいかもしれませんが、会場側は大変ですね。
特に打ち合わせ段階では、意思の疎通を図るのが難しいようです。
こだわりのある会にしたい。
故人らしく送ってあげたい。
その気持ちを具体的な形にするのは大変な作業です。
担当者のプロデュース能力が問われます。
遺族が納得する形を模索し、具現化していく能力。

それにしても近い将来・・・
浴衣で、水着で、ムームーでなんていう送る会も実現するかもしれませんね。

<橘 貴美子のPRタイム>
一般のVTR(例えば、会社のPR・教育用ビデオなど)やCMなどのナレーション
もやっていますので、ナレーターが必要という時には是非ご用命ください。

<井手の割り込み>
5年ほど前になりますが、赤坂プリンスで知り合いのお別れ会がありました。
主催は石原軍団でした。(小林専務が仕切っていました)
故人はシナリオライターの永原秀一氏。
司会は残念ながら私ではなく、露木茂さんでした。
当時関係者が私に申し訳なさそうに伝えてこられましたが、
私は別段何とも思っていませんでした。

永原さんの代表作は、んー沢山ありすぎるけど、「最も危険な遊戯」、「蘇る金狼」
「女番長 野良猫ロック」等のシリーズ、「狙撃」、「ハイティーン・ブギ」
と紹介したら<ミーハー過ぎるよ井手ちゃん>と怒られるかな。
とにかく魅力的で、ロマンチストで、面白い人物でした。

永原さんとは業界の草野球チームが一緒で、というより彼が選手兼監督でした。
チームの構成は、局のプロデューサー・シナリオライター・俳優・放送作家
などで、私も10年間ほど在籍しており、年に20試合位でしょうか、
このチームで草野球に夢中になっていたものです。
何より試合後の飲み会が楽しくて、喧嘩あり、議論あり、マージャンあり、
と朝まで痛飲したものです。

その永原さんがクローン病という奇病に冒され、あっけなく他界しました。
そこで縁のあった者達でお別れ会ということになり、
私のグループは、草野球のユニフォームで参加ということになったのです。
一応葬儀業界では、私も顔が知られている部分もあり少し躊躇したのですが、
そんな場合でもなかろう・・・とユニフォーム持参で参列しました。

あーまさか、あの場所にユニコムさんの取材が入っているとは !
[RAGS]というチーム名が入ったユニフォームで壇上に上がり、
大声で最後のコールを叫びました。
フューネラル・ビジネスの誌上に掲載されなくて良かったです。
(ホッとしたぜ、まったく)
その時、五社監督や俳優の舘さんや脚本家の鎌田さんが思い出のメッセージを。
さらに寸劇という形で、亡き優作さんや裕次郎さんとのエピソードが・・・。
我が家に持ち帰った写真から、娘は舘さんのだけ抜き取りました。(やっぱり)

あれから5年、いろんな形の故人を偲ぶ方法があって良いのです。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年09月19日 22:54

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