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2005年11月12日

作並温泉、ホスピタリティのシャワー(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

忙しい10月が終わった。
この月は我が家のお祝い事も抱えて実に突っ走ったひと月だった。
今年は私の両親の結婚50周年、金婚式の年である。

 

私もこの年齢になって親の金婚式を祝えるということは
本当に幸せなことと心から感謝をする。
兄の家族と両親と、離れて暮らしている3家族が秋の3日間を作並温泉で過ごした。
仙台で仙山線に乗り換えて単線を行く。
どんどん山の中へ入って行き着いた無人駅。
迎えのバスに揺られて5~6分でその温泉に着いた。



今回の旅行が決まってから半年あまり、家族で泊まる部屋を3部屋予約した後には
繰り返し温泉のHPを見て楽しい3日間をシュミレーションして来た。
様々な種類の温泉、美味しいお料理、和風モダンで清潔な部屋、
迎えてくれるスタッフの笑顔、親しみやすさ等などを自分勝手にイメージして来た。
もう私の頭の中は最高な作並温泉の妄想状態・・・。
(遂にはこれで期待を裏切られたら立ち直れないところまできていた)
あまり早い内から旅行を楽しみにし過ぎた・・・とちょっと後悔したくらい。



結果は、「三重丸!」
「何も無い贅沢」建物の周りには何も無くただ自然があるだけ。
広瀬川の源流と新鮮な空気、全体を包む「ホスピタリティ」というBGM。
スタッフが、部屋まで来て面と向かって話をするのは、チェックインのときだけ。
あとは呼ばない限り部屋には来ない。
これが実に快適だった。
私が感じたのは、ほおっておいてもらえる心地よさ。
これこそが最高のホスピタリティかも知れない。
お客様を信頼してくれている、私たちに任せてくれているからこそ、
部屋ではそっとしておいてくれるのかも知れない。
3日間がとても自由な自分たちだけのリズムで過ごすことが出来た。



このホテルに、よくある着物姿の女将はいない。
正直言って私はああいうのが苦手。
シンプルが一番いい!
ここには若いスタッフが目立つ。
そして脇を固めるベテランスタッフがいる。
小粋な作務衣を着たスタッフたちの誰もが心からの笑顔で接してくれる。
教育も行き届いているようだ。
掃除も充分にされていて気持ちがいい。
しかし建て増しのせいか館内が多少入り組んでいる。
私は姪っ子とあちらこちらを探検して楽しかったが、老いた父は何度も迷子になった。
その度に若いスタッフは部屋まで送り届けてくれた。
3回目からは「わざと迷った?」と言いたいくらい、
父はこの若いスタッフたちを気にいった様子だ。
美味しい食事とステキな演出、広瀬川沿いの露天風呂やお風呂の数々、
お客様を巻き込んでスタッフが演出する「すずめ踊り」。
(もちろん私は主人と姪っ子と踊った!)
楽しい思い出ばかりが蘇える。
この休みにはパソコンでその3日間を写真集にまとめた。



かつて日本の旅館やホテルが通って来た道がそうであるように、
これからの葬祭ホールの接遇も、今までの決まりきった、
言うなれば旧態依然としたやり方は通用しないであろう。
だからと言ってお客様を大切にする気持ちやお客様を導く接遇の形は同じであり、
基本が出来ずしてそれ以上のことが出来るはずはない。
しかしこれだけ葬儀業界の競争が進んでくると、これまでの葬祭ホールとは違う
「何か」を、同業他社がやっていない「何か」を追求して行かなければならない。
今回の旅行からは大いにそのヒントがもらえたと確信する。

すぐにでも「もう一度帰りたい」と思う、作並温泉だった。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年11月12日 13:40

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