ＭＣプロデュース

大好評の「犬の運動会」は、院長先生やしつけ教室の訓練士さんも
自らマイクを持ち解説や応援をする。
看護婦さんもトリマーさんも参加者の誘導、旗振り、
タイムチェック等それぞれの役割分担にあたりながら応援をする。
その上企画から会場の設営、音響までを、
全て身内で賄ったという温かさが伝わる手作りイベント。

内容は、というとこれが盛り沢山！　
徒競走や障害物競走。
芸達者な愛犬が登場する一発芸大会。
１０秒間に何回吠える事が出来るか…沢山吠えるが勝ち･･･等々。
愛犬の実力が試される競技の他、
飼い主のセンスが問われる（？）犬のファッションコンテストや、
体力でなく頭を使う○×クイズ（これは飼い主対象･･･）等全９種目。

豪華景品Getの為（？）愛犬と共に飼い主は必死！　
３００m走はかけっこの好きな犬には持って来いだが
一緒に走る飼い主の体力や速さも必要。
障害物競走では途中道がズレてしまう犬もいる。
それも愛嬌！会場は大いに盛り上がりほのぼのとした雰囲気に包まれる。

私が今回、犬達の賢さに驚いたのは「待て競争」。
これは５m離れた飼い主の「待て」の指示で
どのくらいじっとしていられるかの耐久戦。
これには約３０頭が参加した。
最初はじっとしていた犬達も時間の経過とともに脱落。
５分経過した時には４，５頭に減っていた。
でも５分も置物のようにじっとしていられるなんてすごい忍耐力！　
しかもそれだけではない。
そこで犬の着ぐるみの院長先生が登場して、
走ってみたり踊ってみたりと気をそらそうと邪魔に入る。
しかし全く動じない。
彼らは目の前でおどけている着ぐるみの正体が、
日頃白衣を着た凛々しい院長先生である事を知っているのだろうか？　
結局院長先生扮する犬に対しては１頭もなびく事はなかったのだ。
（院長先生、お疲れ様･･･。）

このように参加したほとんどがしつけの行き届いた頭のいい犬ばかりで
それぞれの競技で「参った！」と思う程に人間顔負け、
私も実況中継をしながら、度々言葉を失いそうになるくらい
驚きと感動と、笑いの連続だった。
マイクを放り投げぎゅっと抱きしめたいくらいかわいすぎ！

そしてそのような中からそれぞれの競技を通して
飼い主と愛犬の深い関わりを感じた。
ひとつのしつけが完成するまで飼い主の根気と
愛犬の努力は大変なものだと思う。
でもその道のりがお互いの信頼を確かなものにしているのだろう。
この「犬の運動会」は、やはり「運動会」ということで順位がつけられたが
飼い主と愛犬の絆においてはどの家族も皆最高の１等賞だ。

私は閉会式を終え、愛犬とともに（多くは景品を抱えながら）帰っていく
家族連れを見て「犬っていいなあ･･･」と改めて思った。
私にも子供の頃一緒に過ごした愛犬がいた。
この運動会のように一緒に走り、お利口にすれば抱きしめ頭をなで、
そう、時にはふざけて服を着せて遊んだり･･･。
大した芸はなかったが、ひとつひとつのしぐさが
私達家族を癒してくれ優しい気持ちにしてくれた。
もしその愛犬と「犬の運動会」に参加したらハプニングだらけかもしれない。
でもお互いが必要であるという強いつながりは誰にも負けない、
やっぱり１等賞がもらえると思う。

この日は人に慣れ親しんだ沢山のかわいい犬に囲まれ
なんだか遠い昔に別れたかけがえのない友に再会したような気持ちになった。

＜井手の割り込み＞
今回のエッセイの綱島さんには、司会のピンチヒッターを頼みました。
（ついでにエッセイも）
ハワイの事ばかり書いて・・・ご主人の話がいつも出てきて・・・
掲載写真にはいつもセンターに写る・・・藤田の紹介でした。