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2005年12月05日

ミュージックセラピーの現場から…若いお母さんたちと共に(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

11月のはじめに、杉並区社会福祉協議会からの依頼で、
就業前児童の母親を対象とした、ミュージックセラピーをさせていただいた。
長年の音楽活動の末、私がミュージックセラピーをはじめて10年になる。
その間渋谷保健所管内で、病後のリハビリや障害をお持ちの方向け、
親子コンサート等々、多くの方と音楽をつかって「心身のリラックス」を目標とした
ワークショップ&コンサートをさせていただいた。

 

大学時代からプロとして華やかな世界で歌手活動をしてきた私は、
結婚し長男が生まれたのをきっかけに、無償に自分のために音楽活動がしたくなった。
20代の頃は、お客様や周りの期待に応えようと頑張り過ぎた時期だった。
バブル全盛期と重なり仕事に恵まれ、自分ではない自分が
一人歩きをしているような感じさえした。
それなりに得がたい経験をたくさんさせては戴いたが・・・。
家庭に入り子育てをしながら、ゆっくりとした時間の中で
自分の本当のリズムを取り戻したのかも知れない。
もっとのんびりと音楽活動がしたくなったのだ。
それがどういうことなのかはその時は分からなかったが、
様々な出会いを得て行き着いたのが「ミュージックセラピー」だった。
それは誰かにノウハウを教えてもらうというよりも、
自分の中から自然に出てきた形(やり方)だった。
そして最初は、世の中で疲れた自分のためのセラピーだったような気がする。
静かに伸びやかに、私のその音楽性と向き合った10年間だった。

今、混迷の時代、健康な人も知らない内に緊張と不安を抱えて、
心はとっても疲れながら生きている。
誰にも本音が言えないでじっと息をひそめているような・・・。
ひたすら無理を重ねて自分で自分をいじめているような・・・。
今回集まってくれた若いお母さんたちは、20代前半から30代半ばの方たち。
生きることにとても頑張っている世代。
子育てや家族を優先して自分をひたすら押さえていることも多くあるという。
そんなお母さんたちとのミュージックセラピーだった。
リラックスすることはいくつになっても必要なこと。
でも若いお母さんたちにとってそんな時間は無いという。
何が自分にとってのリラックスなのかも分からない方もいる。
今広く世の中には、精神的な症状として、
育児うつや子育て不安を抱えるお母さんも多いとのことだ。

セラピーでは私がガイドをして行く。
お母さんたちは思っていることを話して、
自分自身の思いに気付く内に、緊張が和らいで行くという。
ほっとした気持ちになるにつれ、
無理をしている自分に気付く内に、涙が止まらなくなったという方もいた。
その方は「頑張り過ぎていた自分に気付いた」と、事後アンケートに書いてくださった。

 

そして気持ちも身体も楽になった後に歌を歌う。
大きな声で自分を表現する。
上手とか下手とか一切気にしない。
思ったように歌う。
そして叫ぶ!
ゴスペルは毎回好評だ。
自由に、伸びやかに、ストレス発散には一番いい。
私たちには必要なストレスもある。
頑張ることが大事な時もある。
しかし、無理はよくない。
そして心に無理をすることが、一番よくない。

私はいつも、ミュージックセラピーの中で、目の前にいる方に様々な形で
「そんなに頑張らなくていいのよ」というメッセージを伝えている。
「そのままが一番いいのよ」
「ありのままの自分が、一番素敵!」と・・・。
もちろん私自身にも言い聞かせながら。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年12月05日 18:24

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