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2006年03月14日

<マジックボーイ>

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

「本番直前に、あなたにとって大切なものは?」と聞かれたら、
「命の次に進行表やナレーション原稿」と答えるだろう。
拝読順に並べ替えてもらった弔電だって、私が司会台を離れた隙に、
誰かが順番を狂わせたり、持ち去ったりしたらどうしようかと、
心配になるくらい大切なものだ。
進行表・ナレーション原稿・弔電と本番が終わるまで、
会場内を常に持ち歩きたいくらい大切なものだ。

それなのに…私のナレーション原稿にボールペンで穴を空けた人が居る。
司会台を離れての打合せ中だったが、視界にその光景が飛び込んで来た。
驚いた私は司会台に歩み寄り
「ちょっと何しているんですかぁ!」と激怒しそうになると、
その人はニヤニヤしながら、ボールペンを抜き取った。
あれ!?確か…
ボールペンが原稿を貫通していたはずなのに、穴はどこにも見当たらない。
「なぜ?」
その手品師は、音響の男の子。
悪びれる様子も無く、得意げにそのボールペンを手渡された。
種も仕掛けもなさそうだ。
怒りも忘れて、そこでボールペンをまじまじと眺めてしまった私も迂闊だった。

調子に乗ったマジックボーイは…
今度は不思議がっている私を横目に今度は、数枚のトランプを出し始めた。
(ギョッ!幾らなんでもそれは、まずいだろう)
「あぁ、だめよ。仕事中にこんなもの出したら」
と手のひらで隠してあげたつもりだったが…。
(どうも娘に近い年齢の子には、甘くてね)
しかし、既に担当者に見つかって相当怒られたようだ。

驚いたね。 
いかにも大学生がアルバイトに来ましたという感じの音響さん。
この現場で手品とは…どういう神経の持ち主なのだろう。
若いとは言え葬儀の現場がどういうところかくらい、知っているだろうに。
あ~驚いたと同時に呆れてしまった。

「マジック披露は、合コンの時にしなさいね!!」
一言
「バカもん!」

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年03月14日 00:11

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