ある心理クリニックのCD制作の仕事だった。
10年前の録音は、制作者である先生が一緒にいて呼吸や間を一緒に指導してくれた。
時々自分のリズムではなく、先生のリズムでしゃべらなければならないので、
すごくやりにくかったのを思い出す。
呼吸が着いて行かずに頭痛がしたことも思い出した。
そして今回は、その作品をDVDに作りなおす仕事だった。
・・・そういえばそんな仕事もしたなあ・・という程度しか覚えていなくて、
どうなるかがとても心配だった。
久し振りに制作会社がある大宮まで行った。
東京駅から東北新幹線に乗って、いつも通りすぎている駅なのに、
実際に降りるのは10年振りだった。
新宿から湘南ラインに乗って30分程度でついたのには驚いた。
どこを走っているのかそれも不思議だった。
昔は、大宮といえば池袋から赤羽線で赤羽へ、
そして京浜東北線に乗り換えて・・・という道筋だった。
今は埼京線もあれば湘南ラインもあって、非常に便利にな世の中になったものだ。
大宮の駅に着いてびっくり!
駅構内が品川駅のようになっていた。
「エキュート」という駅構内のショッピングモールだ。
切符を持ったまま買い物や食事などが出来る。
おいしいパン屋さんもあればパスタのお店、お弁当はもちろんのこと、
生花やお土産や・・・ナンでも揃う。
時間つぶしにはもってこいの空間である。
駅の中がこんなに便利になると、駅周辺のお店はどうなるのか・・・。
さて、事務所に到着し、いよいよ録音が始まった。
久し振りの原稿に目を通す。
思い出した!そう、こんなことをしゃべったなあ・・・。

「大きく息をします」
「はい、吐き出します」
「もう一度、大きく・・・」という感じ。
今日の録音内容は、催眠術に入る前の説明のような長い文章と催眠術の導入部である。
10年前に録音した声を聞くと、あまり変わっていない。
人間、顔形は変わるのに、声はあまり変わらないのだなあ・・・なんて感心する。
前に録った声に重ねる部分もあるので、声があまりにも変わってしまっては良くない。
聞き直しながら重ねて練習をする。
しゃべり声のトーンを合わせる。
ハリ気味の所も必要だし、ゆったりとトーンを落とす場所も必要だ。

10年前に録った時は、こんなことを知らずに、ただ感性でしゃべっていた。
しかし今は、それぞれの声のメカニズムが分かる。
これは確実に、弊社の司会セミナーで声の理屈理論を学び、
トレーニングを積んだ成果であると感じた。
学んだことがこうして現場で生かされていることには本当に驚いた。
プロデューサーが、「今の方が、格段にいいですね」と言ってくれる。
「全部取り直したい位ですよ」とも言われた。
私の10年前というと葬儀の世界に入るか入らないかの頃で葬儀司会はしていなかった。
この数年で葬儀司会を積み重ね今がある。
特にナレーションの訓練から得るものは大きかったと感じる。
人間の生理にそった声のトーンで、人の呼吸を意識した、クセの無い、
人に伝えようとする喋り方は、葬儀以外の何にでも通用するのだなあ・・・
と改めて思った・・・とても貴重な経験だった。
出来上がりのDVDがとても楽しみだ。