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2006年11月01日

葬祭ディレクター技能審査試験の結果(合格率) (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

今年の試験結果が出たようである。
喜びのメールもあれば、残念な結果に終わった報告もいただく。
今年受験した者にとっては厳しい季節だ。
試験だから合否を判定されるので、これは仕方がない。
落ちる人が存在するから、受かる人も存在するのだ。
また、当日の体調や運に左右されることもあるだろう。
ただ、ありがたいことに、今年から合否共に採点表が入っている。
これは受験した者にとって、一つの目安となる。
特に落ちた者は、その原因が明らかになるので納得しやすい。
来年以降の受験に向けて、弱点を補うという前向きな姿勢にもなれる。
技能審査協会の試験体制が向上したのはありがたい。(感謝)

1級 47.2%  (2005年 56.5%)
2級 68%   (2005年 68.8%)

これが昨年と比較した今年の合格率だと聞いた。
2級は例年通りだが、1級は特に難しくなっている。
いきなり1級受験する人も、2度目.3度目の人も (あるいはそれ以上) 、
そして2級からステップアップして1級にトライする人も合わせての合格率だから、
いきなり1級から受験して合格するのは至難の業かも。
実技筆記の平均点を知りたいところだが、いずれデータが出るだろう。

ところで、どのような講座でも共通だろうが、テキストとは台本みたいなもので、
講座の進め方は、受講者の目的やレベルに合わせる形で、ある程度の幅が持てる。
しかし一方で、同じテキストから受講者の受ける利益に差が生じるのは致し方ない。
こちらの方にも相応の幅が存在するのだ。
その原因は様々だろうが、受講者の能力に因る部分はどうしようもない。

当然の事ながら、受講生は様々である。
合格して感謝されることもあれば、落ちてこちらが慰めることもある。
ただ、過去に一度も、落ちたからと文句を言われたことはない。
こちらとしては、不合格だった方に申し訳ない思いで一杯なのだが…。

今回の葬祭ディレクター技能審査の受験対策で、
受講生は全員同じテキストなのに、試験結果の司会の点数にバラツキがある。
3時間弱の短い講座だし、受験用の司会講座だから特殊だけれど、
受講された方からの報告によれば、60点満点の人から40点そこそこの人も。
結局は実技試験だけに、普段の司会実務の技量が表れてしまうのは否めない。
これは幕張や接遇の試験でも同じ現象が起きている。(当たり前だけどね)
ただし、受講して合格した人で、受講しなくても合格したかというと無理…かも。
とても合格に満たない人を、ある程度のレベルまで持っていく。
受験対策講座は、その目的のためだけに作られたテキストだから。

1級ならば、社葬司会レベルの合否判定だから甘くない。
例えば、臨場感も無く、素人レベルの棒読み司会アナウンスで高得点は不可能。
たった数ヶ月、一生懸命練習したからって、それで満点が取れるわけはない。
本当に葬儀司会を学ぶのなら、資格だけが欲しいという態度ではなく、
葬儀司会講座そのものに参加することを勧める。(私の講座ではなくてもね)
ならば、試験でも高得点が取れるはずだし実務でも役に立つだろう。

実際、私は受講生を選別してないので、
どう考えてもこれではとても無理…という司会レベルの人も多い。
社葬の司会なんか任せられるレベルになるには、正直何年もかかるだろう。
(…十年掛かっても無理かもしれない)
それを、たったの3時間の司会実技対策講座で、
真の実力を身に付けるわけでもなく(そんな時間は無い)、
マニュアル化された最適と思われるテキストを用意し、
この台本通りにやれば、合格ラインに到達する可能性が高い…
と講義をさせてもらっている。(そもそも無理を承知で出来る限りの事をしている)

生意気な発言になるけれど、自分の努力不足や能力不足を顧みず、
それでも講座のお陰で合格していく人の将来が業界のためになるのだろうか。
有資格者は人間的にも成長してもらいたい。
合格して驕る事無かれ、浮かれるのはみっともない。
それなりの実力をちゃんと身に付けることの方が大切だ。
実力があるのに、不運で落選した人も存在する事を忘れてはいけない。

実は、来年以降の試験対策講座を再考しなければと思っている。
この技能審査制度を発足させるのに、そしてまた定着させるのに、
どれだけ多くの先輩方が、粘り強く苦労されてきたかを知るべし。
講座で技術・技能は教えられても、人格だけは鍛えようがないしね。(残念)

最後に、司会実技で満点を取ったのに不合格だった人もいた。
ある一科目だけが基準点を満たさなかったからだが、
私としては残念な思いと共に、問題が難しすぎないかなあと思っている。
また来年、頑張って欲しい。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年11月01日 00:00

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