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2007年10月18日

関西のある葬儀社様で、「社内改革」が始まりました(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

7月に入った頃、関西にある葬儀社様から「接遇研修会」のご依頼がありました。
そこはとても大きなグループで、
司会者や献茶さん(レディ)などの女性スタッフだけでも、
100名近くが登録して葬儀の仕事をしています。
会社全体の歴史も長く、30年前にはすでに大きな葬祭ホールを持ち、
地域の皆様に愛されてきました。
研修会のご依頼は、直接にはその葬儀社様のグループ会社からのものでしたが、
実際の研修には、興味を持ったグループ全体の幹部やスタッフ達も、
集まってくださいました。

 

今回の研修会の目的は、第1には、会社全体のスタッフに向けて、
これからの葬儀社像、葬儀スタッフ像をしっかりと示しつつ、
全体の意識を統一すること。
第2は、主に女性スタッフの接遇レベルの検証と、これからの課題を知ることです。
1回の研修会に、ほぼ全体で100人のスタッフが参加しましたので、
それが3回で、300人以上が参加したことになります。
(最近の研修会では、稀に見る人数でした)

この葬儀社様に限りませんが、私はいつも研修会のご依頼をいただくと、
まずは講師として教育の立場で、
「今、私がこの葬儀社様のために、何が出来るのか…」を考えます。
その葬儀社様が現在置かれている立場、スタッフのレベル、
どのような環境があるのかということと、接遇レベルを高めて行くために、
今何が足りないか、どういう人がいるのかを検証しながらの研修会となります。
講義のはじめには、必ず、スタッフのモチベーションを上げるようなお話をします。
どんな会社も日頃から、社員のやる気を起こすような努力をしているとは思いますが、
葬祭業にいたっては、まだまだその努力は足りないと感じます。

 

今までに、そういう歴史が無いという葬儀社があるというのも、過言ではないようです。
ただただ忙しく、葬儀の仕事をするだけで精一杯だったのかも知れません。
しかし、社員やスタッフ達だって人間です。
時には、労いの言葉や励ましの言葉が欲しいです。愚痴だって言いたいです。
やる気が出るようなお話と現場事例を聞きたいと思っているはずです。
そして、「よし、頑張ろう!」と、みんなで確認し合うことで、
確実に何かが変化して行くのです。
講師としても、その気持ちを確認してから接遇研修会に入って行くと、
スタッフの意識はとても高く、雰囲気よく研修会が出来るのです。
不思議なことに、多少の難しいことも出来てしまうし、
私からの少し厳しい指導も、素直に受け容れて、努力をしてくれます。
「なぜ私が本当のことを伝えて、厳しくするのか」ということが、腑に落ちるからです。

折々の研修会で、講師としての私からの指摘が、
「キツイ」と後から文句を言う人がいます。
私の指摘が「キツイ」なんて…。
自分の本当のことを指摘されるのが「キツイ」と言っているのかも知れません。
又、日頃の仕事の中で、余程、周りから大切にされ過ぎているのか、
いいことばかりしか言われていない人だと解釈します。
「もっと精神的にも骨太にならないと、お客様の前に出たら、
もっとキツイことなんか山ほどあるわけですから…」と、いささか心配になります。
その点、高いレベルを目指すスタッフや、気持ちの準備が出来ている人は、
それ相当の覚悟をして研修会に臨んでいます。

 

それから、スタッフの接遇レベルを向上するために不可欠なものとして、
「会社」が何を考え、どこを見て、どうなっていきたいと思っているか、
ということがあります。
その「会社」というのは、トップやリーダーのことです。
トップやリーダーが、これからの会社をどうして行きたいのかを明確にしなければ、
社員やスタッフ達だって、どこへ向かって歩いて行くのかが見えません。
組織が大きくなればなるほど、経営者サイドの考え方、やり方が、
そのまま現場の環境を左右するということに、
もっと多くのリーダー達に気付いて欲しいと思います。
同じように、現場スタッフは現場で頑張ること。
30年以上の歴史があるこの葬儀社様も、
それは大変な戦いの中で築き上げて来た今が、ここにあるのです。
創業当時の苦労、多くのスタッフを抱えて維持して行くことへの大変さ…。
リーダーの方々も悩みながらの日々があるということや、
ここまで大きくして来た中にある幹部や諸先輩のご苦労を、
スタッフ達も感じ得ることが必要です。
そして、次の時代に向けて、
自分たちでつなげて行こうとする気持ちを持ってもらいたいのです。
今があっての将来です。今つなげて行かないと、この先だって無いのです。
今回も、そのようなことを講義の中の随所に入れながらお話をしました。

 

今回の研修会は、葬儀社幹部に、スタッフ達を育てようとする熱い思いと、
大きな理解をお持ちの方がいらっしゃいます。
その方無しでは、この研修会開催は難しかったでしょう。
また、本当の意味でお客様のことを知る、
「現場で頑張るニューリーダーの女性達」がいます。
研修会後の反省会など、皆さんが自分の言葉で生き生きと語ります。
もちろん、苦労は人の何倍もしているでしょう。
しかしその苦労が、皆さんを育てています。

「接遇研修会」ではありますが、
私の中ではすでに、相談役(コンサルタント)の域に入っています。
長年、葬儀接遇をご指導するにあたり、
スタッフ達の「接遇動作」や「言葉遣い」「コミュニケーション力」などの内容を
さらに高めて行くためにどうしたらいいかを追求する内に、
スタッフの「人ととしての環境」が、気になり始めました。
するとそこには、もっと直視しなけらばならない問題が多くありました。
その問題を解決しながらでないと、
接遇も上達はしないという考え方の私の研修方法に、とても大きく影響しています。

3回の研修会で私は、毎回テキストの書き直しをしています。
研修会の具体的な方法を掘り下げて、周りの男性スタッフがちょっと焦る位に、
女性スタッフ達を「鍛えて、磨いて行きたい」と思っています。
それには正確な台本(マニュアル)を作ることも必要だからです。
次回研修会は11月頃に行われる予定です。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2007年10月18日 09:26

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