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2007年12月21日

今年最後のナレーション講座 その2(橘貴美子)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

では、私が作ったナレーションをご紹介します。

都心では12月に入ってから紅葉が美しくなり、
2つの季節が同居しているかのようです。
しかし、赤や黄色に色づいた葉も、
次第に枝から離れていかなければなりません。
落ち葉の絨毯を踏みしめる音は、
一歩一歩本格的な冬が近づいているのを感じさせます。
過ぎ去る季節が今年は鮮やかに感じられるのは、
輝きを残して旅立った○○様の印象がより鮮明だからでしょうか。
その優しさと思いやりの心で、私たちを包んでくれました。
その明るさと笑顔で、私たちを幸せにしてくれました。
子供の頃持っている瑞々しい感性を、ずっと持ち続けていた人でした。
年齢を重ねてなお若々しい心の持ち主でした。
グレイのファンであることが、その証ともいえます。
ドイツの詩人サムエル・ウルマンの作品に“青春“という詩があります。
青春とは、心の若さであると、
サムエル・ウルマンはこの詩を通じて多くの人に訴えています。
ときに20歳の青年よりも、60歳の人に青春はある。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう、と詩っています。
いくつになっても青春を謳歌できた○○様、すばらしい人生を送られ、
平成19年12月8日、安らかな眠りにつかれました。
間もなく開式となりますが、それまでの間、
故人の在りし日のお姿に思いをめぐらせながら、
○○様が好きだったグレイの曲“ずっと二人で”をお聞き下さい。

<解説>
まず、今年は都心は紅葉が遅く12月に入って見事になりました。
昨年とは違うことなので、出だしの心象風景はここに着目しました。
例年のこの季節ならば、冬枯れの・・・というような言葉で始まるのですが、
冒頭からの4行は遅れてきた紅葉、今年ならではの季節の特徴をとらえ、
死の悲しみよりも、生の輝きをクローズアップさせました。
次の3行は、良くある形で故人の人柄を表しています。
が、その後です。
ドイツの詩人サムエル・ウルマンの作品“青春“という詩を取り上げ、
故人の心の若さを称えています。
こうしたことを例に持ってくるためには、日ごろからいろいろな本を読んだり、
映画を見たりといった教養が必要になります。
この詩は、よく結婚式の祝辞に引用されることがあるのですが、
ご葬儀でも十分使える内容です。
いかに自分の中で故人のイメージを膨らませることができるか、
また与えられた材料が少なくても広げていけるか、
こんなやり方も一つの参考にして下さい。
あとは曲紹介につなげるための良く使う文言です。
いかがですか?
このナレーションが上手いというのではなく、こんな作り方も取り入れてね。
という参考事例です。

この通夜は大変いいものになりました。
ご家族もよろこばれ、心から故人を思い、温かい葬送の時を過ごされました。
                           
2007年皆様、1年間有難うございました。
あっという間に、イノシシ年だからでしょうか?
猪突猛進、走り去っていった月日。
来年はどんな年にしようか・・・今考えているところです。
それより気になるのが、年末ジャンボ宝くじが当たるかどうかです。
お風邪をひかれませんように!

橘 貴美子

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2007年12月21日 08:50

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