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2008年01月07日

小学校の保護者向け「ミュージックセラピー」報告(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

先日、PTA主催の「保護者のためのミュージックセラピー」を、
地元の小学校でさせていただきました。
過去にも、社会福祉協議会や保育園、小学校などで、
音楽を使った「リラクセーションセラピー」をしています。
ミュージックセラピーを始めて10年以上が経ちましたが、
はじめた当時は「セラピー」というと、何だか変わったことと思われがちでしたが、
多くの人がこれほどストレスを抱えて生きている時代、
積極的にこのような機会を作ろうと思う方が増えて来たようです。
以下は、その時にお話をしたことの抜粋です。


今日の目的は「リラックス」をすることです。
リラックスをする為には、体が楽なこと、そして心も楽なことが必要です。
リラックスを言葉に置き換えると、
楽(らく)・ホッとする・のんびり・まったりと・なんくるないさ~な感じ。
言葉だけを並べても、体のネジが緩んで行くのが分かりますね。
その逆の状態を言葉にすると、
キツイ、緊張する、激しく、急いで、速く速く、頑張らないとダメ!・・・。
どうですか? 
言葉をならべただけでも、ナンだか心がこわばって行くのが分かります。
どちらが良いとか悪いとかではありませんが、
日頃リラックス寄りの言葉を多く使うか、緊張寄りの言葉を多く使うかで、
気持ちは違ってくるのですね。

リラックスを語るときに、忘れてはならないものが、
その対極にある「緊張」、又は、ストレスです。
「緊張」と「緩和」と、よく言われます。
リラックスはいいもので、緊張はダメなものと思われがちですが、
しかし「リラックス」ばかりでは、私たちは生きて行けません。
又、同じように「緊張」ばかりでも辛すぎます。
「緊張」と「緩和」が、バランス良く働くことが大切なのです。
「頑張る時もある。でも、ほっとくつろぐ時もある」としないと、疲れますね。
過度の緊張はストレスとなり、体ばかりか、心までもむしばみます。

ストレスは、貯めない方がいいに決まっています。
でも「生きている」とうことは、ストレスを抱え込みながら、
又は、体に取り入れながら、過ごしていることでもありますね。
「人からのストレスを感じないで生きて行きたい」と思ったら、
無人島にでも行くしかありません。
でも、無人島も「孤独」というストレスになるかも、知れません・・・。
ということは、どこで何をしていても、どういう暮らしをしていても、
子供がいても、いなくても、仕事をしていても、していなくても、
ストレスはたまるのです。
大事なことは「自分にとってのストレスが何か」に、早く気付いて、
それを上手に回避する、又は、吐き出して行くということです。



最近「切れる大人が増えている」と、言われます。
日常の中で、大人がガマンをしなくなったと思います。
日本人の多くが、ストレスを抱えて生きているようです。
早い内にストレスの吐き出し場所を作り、
身体の中からストレスの塊を出すことです。
何かに「怒り」があるのならば、その感情を出し切ることです。
もし皆さんに「抱えている耐えられない感情」があるのならば、
どうぞ、吐き出して下さい。それは正しいことです。
ストレスを上手に吐き出すと、
嫌な思いや辛い気持ちを溜め込まない私がいます。
今の時代「いい人」を演じていたら、疲れます。
時には「いい人をやめること」も、大切なことです。

しかし「吐き出し先」は気をつけないといけません。
あまりにも強いストレスを人に向けて吐き出すと、
吐き出された方は間違いなく溜め込みます。
ですから、そこのところを良く考えながら、
言葉で吐き出す、文字にして書きなぐる・・・。
ストレスを発散する内に、冷静になって行く自分がいます。
子育ての中でも、大いにストレスはたまります。
子供が中学校、高校と大きくなれば、言いたいことも言わないで、
見守ることも必要になってきます。
大人の感情で、子供を振り回すことは出来なくなるのです。
しかし私たち親だって人間です。
言わないで我慢することは、辛すぎます。
そういう時は、家族でも友人でも、
身近に「愚痴ることが出来る人」を作ってください。
さらに愚痴るだけでは物足りないときに、
今日の「声をつかったセラピー」が使えます。



以上の内容で、40分余りの講演の後、カラダのリラックスを実践しました。
そして、カラダの脱力体験と、深呼吸の練習です。
肺の中にある汚い空気を全部吐き出して、
新鮮な空気をたくさん取り込む体験です。
発声練習の後、北原白秋の「おまつり」や「名月・赤城の山」の群読をしました。
すべては、ストレスの発散が目的です。
後半は「ゴスペル」「上を向いて歩こう」「千の風になって」をノリノリで歌いました。
「ミュージックセラピー」と言っても、音楽に対して構える必要はありません。
歌は上手ではなくていいのです。
大事なのは、声を出すことを通じて、自分の気持ちを発散することです。
それは「自己開示」にもつながります。
最後には、瞑想の状態で、私が作ったポエムを語りかけました。

「そのままの貴方でいいのよ!」     詩 加藤直美
(床に、横になります)
(楽に息をします。大きく吸って~ 吐いて~。もう一度、吸って~ 吐いて~)
カラダの力が、抜けて行くのが、分かります。
同じように、ココロの力も、抜けて行くのが、分かります。
頑張ることは大切です。そして、頑張らないことも、大切です。
色々な緊張でカラダがこわばると、ココロも同じように、こわばる。
頭では、「もっと、もっと・・・」と、思っても、心はそれに、着いて行けない。
今、自分の心の声を聞きましょう。 
自分と、じっくりと、向き合って・・・。
何が好きで、何が嫌い。 
何がしたくて、何がしたくないかを 考えよう。
大事なのは、「そのままの、あなたでいい」ということ。
「このまんまの、あなたが、一番素敵」ということ。
ありのままの自分を 抱きしめてあげよう。
ありのままの子供たちを 抱きしめてあげよう。
そして、「そのままでいいよ」と、言ってあげよう。
「このままで、いいんだ」と、自分にも言ってあげよう。
「頑張って、頑張って、頑張っている自分を たくさん、ほめてあげよう」
「よく、やっているね」
「私は、私が大好き!」と、自分を受け入れてあげよう。
この世で、たった一人の自分。大事な、大事な私。
「そのまんまで、いいんだよ!」

お母さん達を対象にした、2時間のミュージックセラピーでした。
終了後は、皆さんが晴れ晴れとした顔で、私に話しかけてくださいました。
子育て真っ最中の、ちょっと疲れたお母さん達に、
リラックスする時間をプレゼントできたようです。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2008年01月07日 09:45

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