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2008年02月04日

映像の訴求力 (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

2006年製作のアメリカ映画「不都合な真実」。
アメリカ元副大統領のアル・ゴア氏が、地球の温暖化を訴えた名作。
ところが、これは誰が見てもスライドショーの映画版なのだ。
この映画製作そのものが、地球温暖化の危機を、世界各地のスライド講演で訴える、
アル・ゴア氏の魅力に取り付かれて製作したものだから…。

不都合な真実
(映画宣伝用から)

アル・ゴア氏の豊富なデータ…30年前の○○山脈、そして現在の○○山脈、
という比較や二酸化炭素濃度の年代別グラフの特徴など…に説得力あり。
世界の人々の意識改革に力を注ぎ、日々の生活の中で環境を守ることが大切と…。
そしてユーモラスな語り口も憎めない。
アメリカ大統領にならなくてホント良かった。
少しだけ、登山家野口健の講演の様子が頭を掠めました。

この映画を見て、直ぐに浮かんだのが2007年の映画「アース」。
地球温暖化危機というテーマが同じだし、
映画「不都合な真実」がスライドシヨーでやったものを、
そのままテーマは変えずに映像で見せようという感じがする。
しかも「アース」という映画は、地球はこんなにも美しいんだ!
この愛する地球を、かけがえのない地球を、奇跡の地球を、皆で守ろう…かな。
最新の撮影技術に加え、北極から南極まで、様々な生命が息づく地球の姿。
ちょっと話が脱線するけど、ナレーターじゃなくてコンダクターの渡辺謙氏が、
言いにくいんだけど、残念ながら…日光の一歩手前(いまいち)かな。
いいのよいいのよ、ヴァリューがあるんだからね。
でも、NHKの緒方拳さんのナレの方が私は好きですな。
いずれにしても、地球環境について考えさせられる映画だ。

話が脱線するけど、渡辺謙といえば、今でこそ世界のスーパースター。
僕の勝手な記憶だけど、デビューというか話題になったのが、
唐十郎の舞台「下谷万年町物語」の主役抜擢だったような。(蜷川幸雄演出)
唐の自伝的小説だったと思っているが…まあ記憶はアヤフヤだから。
その後「瀬戸内少年野球団」の悪役からテレビ「独眼流政宗」…平成元年の白血病。
数年の闘病生活からの復帰と、目まぐるしい人生ですな(実は他にも色々と)
デビューの頃、演劇集団「円」の研究生で、ここには、
NHK「心はいつもラムネ色」主役デビューの新藤栄作や、
映画「夏の別れ」主役デビューの安藤一夫も在籍していたのだ。
今思えば凄い…の話だけどね、この時代、私は年代が同じなのでとても詳しいのです。

不都合な真実では、スライドショーで結構センセーショナルな事を紹介するんだけど、
それはアル・ゴア氏の語り口調が柔らかく、クスクス感がある許されるのでしょう。
そのあたりが、映画とは違って、スライドショーの良さなんでしょうか。
実際は、いくつかの事実誤認があったらしく、まあ多少のことは仕方ない。
というのも、驚いたのはブッシュ政権。
「地球温暖化など単なる学問上の仮説で、現実にはそんなことは全く起きていない!」
だから米国の人々は、ブッシュの公式見解を信じていたらしい。
まったく信じられないよ。

アル・ゴア氏は、この映画が契機となってノーベル平和賞受賞。
そしてこの映画は、エコ・ドキュメンタリーと言われるらしい。
へえー、そんな言葉があったのか?
じゃあ我々の業界のスライドショーは、何と呼びましょう?
フューネラル・スライドショー、じゃセンスがなくて駄目。
メモリアル・スライドショー、んー使い古されているな。
何か素敵な言葉がないでしょうか?

このスライドショーは、言葉ではなく、映像で見せています。
前回紹介した「中村屋」とは、この部分が決定的に違っています。
スライドショーにも、その見せ方、訴求力の持たせ方があるのです。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2008年02月04日 09:00

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