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2009年01月23日

息子からの手紙(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

我が家の長男は平成元年生まれ、この1月12日成人式を迎えました。
早いですーー実に、早いです・・・。
結婚後すぐにお腹に身ごもり、新婚の日々は「つわり」と共にありました!
司会や歌の仕事は続けましたので、ラッシュの電車や、
仕事の本番をどう切り抜けて行くか・・・その日その日で大変だったことが懐かしい。



一人目の子供というのは、何から何まで初めてつくしで、
新米母親として緊張することも多かったです。
しかし楽しみもたくさんプレゼントしてくれました。
3年目に次男が生まれて、その日から長男は「お兄ちゃん」と呼ばれて、
知らず知らずに何でもしっかりするように、教育?されました。
今思えば、あまりいいことではないようです。

彼は、彼であり、一人の個人であり「お兄ちゃん」ではないからです。
ある意味、我が家の長男も、幼いときは多少神経質で、
何かをする時には、親の目を気にするようなところがありました。
その後生まれた次男は、マイペースです。
臆することなくナンにでも挑戦するタイプです。
私もそんなところがありますが、逆にこちらが心配するほど自由人で、
開拓精神旺盛な高校生です。

片や長男は、高校生時代は思いっきり、私たち親に反発していました・・・。
校則の厳しい私立高校へ行ったものですから、先生に反発したこともあったようです。
心配した私は、三者面談を申し出て、
学校の様子や先生との関係を何気なく探ったこともありました。
無事に高校を卒業はしたものの、やはり・・・
未だ何を考えているのか全く分からない長男です。

その息子が、成人式の式典に出かける時に、
スーツやワイシャツを色々と心配する主人に、
「今まで、育ててくれて、ありがとう・・・」と言いながら、1通の手紙を渡しました。
私たちは呆気にとられました。
手紙なんか期待しているどころか、ちゃんと遅刻しないで式典に行くのだろうか・・・
とか、気が変って参加しないかも・・・なんて余計な心配していた私たちには、
本当に驚く出来事でした。



息子が私と夫に書いた初めてのきちんとした手紙です。
結婚式の司会の仕事では、本当にたくさん、新婦からご両親への手紙を代読しました。
娘がいればこんな形で、感動的な手紙をもらえる日がいつか来るのだろうが、
我が家は男の子二人で、息子からの手紙なんて期待できない・・・と、
はなからあきらめていました。



その手紙をまずは夫が読みました。
もう、夫の顔はくしゃくしゃで、涙ぐんでいます。
鼻をすすりながらやっと読み終えました。
私もすぐに、便箋3枚にびっしりと書かれた手紙を読みました。
丁寧に書かれている手紙です。
今までに息子は、自分の気持ちなんて私たちに言ったこともないのに、
こんなことを考えていたのか・・・と、本当にびっくりしました。
私達が、気がつかない内に、しっかりと育っていたことが分かりました。
私達親の頑張りをよく見ていることも分かりました。
自分のこれから、そして私達への気持ちが素直の書かれている手紙を読み終えて、
私も涙・・・涙・・・でした。
その中で、最後に書かれていたことが「・・・今まで、『ありがとう』や
『ごめんなさい』は言えたけど、恥ずかしくて言えなかったことがあるので、言います。
『お父さん、お母さん、二人のことは本当に、大好きです』」
という文面がありました。

これには主人も私も、又、最後にうれしくて泣きながら、手紙を読み終えました。
二十歳の息子から、「大好き」と言ってもらえるなんて、思ってもいなかったです。
これから息子も、大変な時代を生きて行くのでしょう。
でも、「生を受けたこの時代に、自分らしく精一杯生きて欲しい」と願ってやみません。
子育てのゴールなんて、いつまでも無いかも知れません。
親はいつまでも、子供の心配をしながら見守るのでしょう。
息子には心から「私達の元に生まれて、ここまで育ってくれて、ありがとう」と、
伝えたい気持ちでいっぱいです。


投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2009年01月23日 09:00

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