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2010年01月14日

海外視察研修⑨ NFDA(全米葬儀社協会)に学ぶ2

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

昨日の続き。
NFDA組織の目的だが、大きく分けて3つだ。
(小さく分けると7つ位になるのではないか)
1.消費者の動向・ニーズの調査・・・よって、そこから生じる国家戦略の対応も。
2.ディレクターの教育・トレーニングを継続的に行い、クオリティを維持・向上させる。
3.政界・財界など葬儀ビジネスに影響を及ぼす人々・団体への啓蒙、ロビー活動。


(NFDAのF講師と同時通訳のH先生(グリーフの専門家です))

消費者の動向・ニーズの調査だけど、
米国の葬祭業は伝統的に家族経営型の小企業が圧倒的に多い。
これが全体の9割近くを占めているが、残りの1割はSCIやスチュアート、
ローウェン、ECI、カリッジなどの大企業で、当然売り上げは莫大になる。

実は、SCIに買収されている葬儀社があったとしても、
そこの従業員はそのことを知らずに働いているケースもあるくらい、
SCIは隠密に、表に出ないように配慮をしていた・・・こともある。
なぜなら、米国の葬儀は家族経営型に対する信頼感が厚かった時代があるからだ。

また近年、火葬率が上昇していることは前にも書いたが、州によって差はあるにしても
このワシントン州では70%を超えているとも言われる。
今後益々上昇するであろう火葬率と葬儀の在り方の関係について問うと、
土葬か火葬かは、最後の手段の違い(方法論の違い)であって、
(米国の)葬儀に与える影響は大きくはないが、
それでも火葬の方が全体の価格は安くなる傾向だと。
(墓地の関係・・・だが、米国の墓地は不動産・・・墓地の転売で儲ける人もいる)
しかし、それらに対する対策は様々な角度からアプローチしているらしい。
現在の葬儀業界は、葬儀だけでは経営が成り立たなくなる傾向にあり、
墓地経営や花卉の販売は当たり前だということだ。
(以前にも書いたが、総合デスケア産業ということだ)

ディレクターの教育・トレーニングを継続的に行い、
クオリティを維持・向上させることは、まさに驚きの連続であった。
この日会場でお聞きした内容は、
米国の葬祭ディレクターの資格は州ごとに認定される。
その前提として、モーチャリーカレッジを卒業していること、
ナショナルボードという国家試験に合格していること、
また通常2年間程度のインターン期間を経ていること・・・と。
更には毎年ライセンスの更新があり(有料)、16時間ほどの再教育を受けている。
(新しい情報提供・・・例えば法律関係なども)

そのことで常に最新の情報を維持し、今ではウェブを使った様々な支援も整えている。
更に葬祭ディレクターは登録され、それぞれの情報が閲覧できる仕組みだ。
例えばどこかの州で、悪い事をした葬祭ディレクターはどういう運命を辿るか・・・。
州から州への移動も厳密で、資格が使えない場合もある。
州によって合格までの道のり、その厳しさが違うというのが面白いけど。
(帰国してからHPを除いたけど、中には、高校卒業程度でもOKな所があるよう
だが・・・見間違いかな)

それにしてもH講師には本当にお世話になった。
彼は米国でのディレクター資格を有しているし、実際に働いていたそうだ。
だから米国の講師(SCIでもNFDAでも)が、どの言葉にしようかと、
表現としての言葉に詰まった時、すぐに助け船をだしていたくらい。
業界の専門的な話だから気を使うのだろうが、彼には全く臆するところがない。
これは僕の感想だけど、先方の講師が言いたかったであろう事を、
思いっきり意訳してH講師が通訳していた場面もかなりあった。
H講師・・・恐るべし。

さらに明日に続く。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年01月14日 09:00

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