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2010年02月04日

ある発表を読んで①(工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

ある発表を読んで感銘を受けました。
それは葬儀の「追悼メディア」の考察について書かれたものです。
「追悼メディア」とは、遺影写真、追悼DVD、
オリジナル会葬礼状、メモリアルパネル等のことです。
FUNETのことも一部紹介されていて、それも嬉しかったのですが、
それよりも、葬儀の現場で「追悼メディア」がどのように使われているのか、
その臨場感が文章を通して伝わってきたことが大きな勉強になりました。

発表では、遺影写真、追悼DVD、オリジナル会葬礼状、
メモリアルパネルと分野を分けて、それぞれ考察が書かれていました。
中でも最もページを割かれていたのは、追悼DVDに関することでした。
近年では葬儀において一般となってきている映像サービスを、
自社のサービスとしていかに定着させたか。
その過程が詳細に述べられていました。

追悼DVDを自社のサービスとして導入する過程は、
3つのポイントに分けて書かれていました。
まず1点目は、『自分がDVDを制作できるようになること』。
最初、発表者は映像制作に慣れておらず(誰でもそうですが)、
5分程度の映像を制作するのに3時間程度掛ったそうです。
試行錯誤しながら、画面の変遷(トランジション)をどうするか、
写真のキャンプションやテロップ(文字説明)を入れるかどうか、
映像に流れるBGMをどうするか等、考察が述べられていました。
最終的には、「シンプルで」「自然な演出」という方向性を見出すのですが、
ただ、単純にシンプルな映像を作るのではなく、
「魂を込める」ことが1つのポイントとして挙げられていました。
「魂を込める」とは、担当者の姿勢として遺族から単純に写真を預かるだけでなく、
特別な思いやエピソードを聞いた上で映像制作に取り組む、ということです。

次に、『会社サービスとしてDVD演出を定着させること』が書かれていました。
発表者は、規模の大きな葬儀社の中核を担う方ですので、
自分自身が映像を制作できるだけでなく、
担当者の従業員全員が映像サービスを提供できるようにしなければなりません。
DVD映像受注から納品までの作業の流れを策定し、
制作する映像の方向性を社員で共有し、また社内体制を整える必要があります。

何か新しくサービスを取り入れるにあたっては、
この「会社サービスとして定着させること」が最も労力を要することだと思います。
FUNETにおける私のサポートでは、個々が映像制作できることはケアできますが、
社内体制をどう作るかという点は殆ど関与できません。
それゆえ、組織に強いリーダーシップを持った人がいるかが重要になります。
また、日常業務を持ちながらの作業になりで、多忙を極めることだと想像しますので、
そのリーダーに体力も必要になります。

発表者の方は、まず自分で映像を制作するところから始めました。
そして、良い点や苦労する点、寺院の反応も自分で経験し、
他の従業員とも意見を交換しながら、ベストな方法を考察していきました。
体力を維持しつつ、従業員を巻き込んで、粘り強く社内体制を築いていった点が、
会社にDVD映像が根付いた要因だと思います。

このあたりのセクションを読み進めると、
発表者の素直な文章やその過程に触れて尊敬と関心を抱きます。
多くの従業員を引っ張るリーダーシップは、貴重だと思います。

そして、最後の3点目…。
長くなってきたので、明日に続けたいと思います。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年02月04日 09:00

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