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2010年03月03日

記憶に新しい「おふくろさん騒動」について① (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

またまた「著作権の世紀」―ー変わる「情報の独占制度」
・・・著者、福井建策(集英社新書)から。

音楽に関する様々な権利は非常にややこしい。
だから具体的に「おふくろさん騒動」について考えることで、
<音楽のアレンジに関する権利>というものについて考えてみたい。

始めに、【著作権】に含まれる11通りの権利を示すと以下のようになる。
①複製権
②上演権・演奏権
③上映権
④公衆送信権等
⑤口述権
⑥展示権
⑦頒布権
⑧譲渡権
⑨貸与権
⑩翻訳権・編曲権・翻案権等
⑪二次的著作物の利用権

・・・もうこれだけでも面倒くさい。
実際の【著作物】の例をあげてみよう。
①小説・脚本・講演など
②音楽(作詞・作曲・編曲
③舞踊・無言劇
④美術
⑤建築
⑥図形
⑦映画(映像作品)
⑧写真
⑨コンピュータ・プログラム
となる。

詳細はもっとややこしくて、例えばネット配信に関してだが、
著作隣接権というものは、出演俳優・ダンサーなどの実演家には認められている
・・・TVドラマでは狭い範囲で認められている・・・のだが、
劇場用映画の場合は認められていないとか・・・。(ややこしいよ)
※著作隣接権とは、著作権ではないが著作物と似た「情報」に認められる。

ざっと全体像が理解できた?ところで、おふくろさん騒動について。
森進一の代表曲「おふくろさん」は、猪俣公章が作曲で川内康範が作詞した。
歌詞の冒頭は「おふくろさんよ おふくろさん 空を見上げりゃ空にある 
雨の降る日は傘になり おまえもいつかは世の中の ・・・」
という有名な歌詞で、モノマネが大流行りである。
ところがある時点から、森進一が次のようなセリフを付け加えるようになる。
「いつも心配かけてばかり いけない息子の僕でした 
今ではできないことだけど 叱ってほしいよもう一度」
私はこの歌詞を聞いたことがなくて、you tubeで確認したが不明であった。
ただ、似たようなフレーズで歌う前に流す「曲紹介ナレ」があったのは事実である。
どうも出典は、複数の「曲紹介ナレ」から森さんが考えたのではないのか。
森さんが付けたセリフは、正確にはパースと言うらしいが、
歌の前に導入として心境を吐露するものだ。
ところが川内さんは気に食わない。
「俺の作った歌じゃない」と怒り心頭のご様子。(TVで何度も見ました)
森さん自身に再三抗議し、遂には「おふくろさん」は歌わせないときたもんだ。

えーっ! ・・・どうなるの?

(つづく)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年03月03日 08:00

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