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2010年07月29日

日本語の奥深さ (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

「日本人の知らない日本語」というタイトルの本がある。
日本語教師の奮闘振りを描いた漫画であるが、何気なく手に取ったらすこぶる面白い。
もう大笑いした。漫画を読んで声を上げて笑うなんて・・・久し振りだ。
いい勉強になったので、そこから紹介しよう。

我々が何気なく使っている日本語。
まあ大体のことは分かっているつもりだった。
だが、外国人に質問されて、その難しさを改めて思う。
例えば、誰もが指摘を受ければ「あぁ」と気付くのだが、
日本で生まれて日本で生きていると、中々気付かないものなのだ。
その辺りの奥深さにうまいこと焦点を当てている本だった。

では質問。
「冷える(ひえる)」と「冷める(さめる)」は、どう違う。
同じ漢字を使うのだけど、その違いは。
<日本語と国語の違い>を説明するときに使われるのだが分かりますか?
日常生活の中で、どういう時に使うか思い出してもらいたい。
・・・意外と難しいよね。
何気なく使っているけど、その違いを説明しなさいということ。

答え
「冷える(ひえる)」は、常温のものが低温になること。
「冷める(さめる)」は、高温のものが常温になること。

生徒の外国人は日本語教師なら日本語を何でも知っていると思っているらしく、
あらゆる言葉が質問されるのですが、先生はそれらに対抗すべく(準備すべく)
何でも調べるという習慣があるからでしょう。
非常に勉強になったのは、
食器の「おたま」の由来が「おたまじゃくし」。・・・頭の形が似ているから。
じゃあ「しゃくし」って何だ?
「しゃくし」は杓子と書いて、「しゃもじ」の元々の名前。
では何故「しゃもじ」と呼ばれるようになったかというと・・・
大昔のギャル語だというのです。
(大昔といっても室町時代の宮中の女房たちのことです)
「ねえ、<もじ>ってかわいくない?」
「かわいー」
「私もすごくかわいいと思う」
「何にでもつけちゃえ」
てなもんで、杓子は「しゃもじ」に、かつらは「かもじ」に、浴衣は「ゆもじ」に・・・
その大流行は、「ひもじい」や「ほのじ」(惚の字)にまで。
これは江戸時代に庶民にまで広がっていくので、現代の我々も使っている言葉なのです。

それから敬語についても勉強になりました。
また色々と使えそうですが・・・
レストランで食事をします。
注文が終わり、暫くすると料理が運ばれてきました。
ウェイトレスが一言。
「ご注文の品はおそろいになりましたでしょうか」
いつもは何気なく聞き流す言葉。
でも、どこかおかしいのです。
何処がおかしいか、分かりますか。

答え
「○○がまだ来ていません」じゃないですよ、言葉遣いです。
正解は、「ご注文の品はそろいましたでしょうか」です。
「おそろいになりました」だと敬意の対象が、「ご注文の品」になっていますから。

次の問です。
1「教えていただけますか」と「教えて下さいませんか」の違いは?
また
2「お差し支えなければ」と「おそれいりますが」の違いは?
少し、考えてみませんか。

では答えあわせをしましょう。
1の答え。
教えてもらえる権利の度合いが違います。
教えていただけますか・・・高権利
教えて下さいませんか・・・低権利

2の答え
相手に断る余地の違いです。
断る権利で表すと、
お差し支えなければ・・・高権利(相手は断ってもいい)
おそれいりますが・・・・低権利(へりくだっているが、ある程度強制力がある)

また機会があったら紹介します。
日本語は難しいですね。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年07月29日 09:00

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