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2010年09月27日

「悪人」を鑑賞して(工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

モントリオール映画祭で深津絵里さんが最優秀女優賞に輝いた、
「悪人」という映画を観てきました。
原作が良かったので楽しみにしていたこともありますが、
期待通りの良作でした。

話の筋としては、妻夫木聡が演じる若い男の逃亡劇です。
彼自身、殺人を犯して逃亡しているので「悪人」なのですが、
彼の周りの人間の「悪性」に関しても描かれている作品でした。
深津絵里はもちろん、被害者の父親役の柄本明、
加害者の母親役の樹木希林の演技が光っていました。

人の死を中心に作品を描くと、
その対象として生がテーマとして見えてきます。
同様に、この作品では人の悪を中心に描くことで、
対象として善の部分が表出していたように感じます。
表現するとは、そういうことなのでしょうね。
なので、「悪人」というタイトルでも、
鑑賞後はどこかスッキリした感覚です。

また、殺された娘を想う父の心情を柄本明が丁寧に演じており、
生死を基にした感情の揺れる部分も描かれているので、
泣ける場面もいくつかあります。
特に、最後は深津絵里の演技だけで、感情が揺さぶられそうになります。
最優秀女優賞を獲得できたのも納得です。

今後の映画賞の受賞次第では、
「おくりびと」のようなヒットに恵まれるかもしれませんね。
ということで、久しぶりにおススメ映画の紹介でした。

そうそう、映画の内容とは別に楽しみだったことが一つありまして…。
この映画で、いつもお世話になっているTホール様がロケ地になっていたことです。
シーンとしては、被害女性の通夜の場面、
特に通夜振舞いの様子が撮影されていました。
なかなか素晴らしいことです。

祭壇の荘厳も、自然に作品に溶け込んでいました。
柄本明演じる、被害女性の父親の揺れる心情が描かれた重要なシーンで、
もっと長く見ていたくなる場面でした(葬祭関係者だから、尚更ですね)。
エンドロールとパンフレットにクレジットが載っていましたが、
協力する方も大変だったと思います。お疲れ様でした。

多くの方に、是非観ていただければと思います。
封切られてから間もないので、まだまだ多くの地域で公開されていることでしょう。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年09月27日 08:22

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