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2010年11月30日

中国大連の研修記⑤ 中国の墓地(工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

ガイドの人によると、中国では墓地を静かな場所に造るそうです。
そう言われれば、移動の最中、田舎であれ街であれ、
バスからの景色に墓地は見えませんでした。寺院も見ませんでした。
町中のわずかなスペースにも墓地があったりする日本とは、
墓地や寺院に対する考え方が違うものです。

 

さて、大連の市街地から西に30km程の距離の丘の上に、
今回訪れた「大連玉皇頂公墓」がありました。
海に面した山の麓にある墓地で、とても景色のよい立地です。
広さは15万㎡(東京ドーム3個分)で、2万5千の墓数です。
青山霊園が26万㎡なので、そこそこ広い墓地と言えます。
しかし、墓数が多いですので、狭い場所に墓石が整然と並んでいる印象でした。

墓の価格は、備え付けの墓石に20年の管理費込みで、
安いもので約50万円、高いもので約300万円です。
納骨堂と比較すると、4~6倍程度の料金の差があるでしょうか。
また、日本と中国の物価がおよそ5~10倍だと考えてみると、
中国でもお墓は「高い買い物」です。

 

墓石のデザインは、一般的な中国っぽいデザインから、
月型やらハート型といった具象的なものまで、様々ありました。
…ざっと見たところ、一般的なデザインの墓の方が売れている気がしましたが。
また、ほとんどの墓石の前にショーケースのようなものがあります。
そこに造花や故人が好きだったものなどを供え、飾っている様子でした。
墓の周りを花でコーディネートしたり、日本と比べて供え方が自由でした。

 

戒名(と中国で言うかわかりませんが)が、墓石に刻まれているのを見ませんでした。
多くの墓石で「故 顕考(俗名)」「故 顕妣(俗名)」と俗名で彫られており、
顕考は父、顕妣は母という意味です。(ちなみに、顕祖考は祖父、顕祖妣は祖母)
その他には、生年月日、没年月日、住所、誰がいつ建てたか、などが記されていました。
中国は道教が50%、仏教が50%と聞きましたが、
墓には一般的に俗名を彫る習慣があるようです。

 

 

あと、ガイドの方に聞いた中国の興味深い習慣に、
「供え物を燃やして天に届ける」ことがあります。
そのためか、墓地の駐車場に火炉が何十基と備わっていました。
一方で、「環境に配慮して、物を燃やし過ぎるな」という掲示もあります。
紙幣を燃やさないように「天堂銀行」に「預金」する場所もあります。
…日本人の感覚からしたら、不思議です。
墓参りの供花として日本では敬遠される造花(紙製)も、
中国では生花より多く備えられている様子でした。
葬送における「紙」の文化が、中国では盛んなのかと感じます。

こんなところでしょうか。
日本の墓の在り方と似ているようで異なる点もあり、
なかなか貴重な体験でした。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年11月30日 08:11

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