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2011年01月12日

また新規参入です (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

先日のニュースより
(抜粋)
三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、傘下の三越と伊勢丹の約300万人のカード会員を中心に、葬祭関連事業を本格展開することが29日分かった。寺院、ホテルなどでの葬儀やお別れの会の仲介と葬祭業者の紹介に加え、有名料理店の仕出しの受注といった百貨店の独自性を出したサービスを提供する。百貨店は慶事など「ハレ」のサービスが主だったが、葬祭事業への参入で高齢層の顧客獲得を目指す。
来年度の早い時期にスタートする。葬祭事業への本格参入は大手百貨店では初めてで、ライバル百貨店の追随も予想される。
三越と伊勢丹はこれまでも、香典返しなどのギフト対応は行っていた。ただ、顧客から「葬儀はやらないのか」という問い合わせが多く、完全子会社のエムアイカードの事業を拡大し、葬祭事業全般を取り扱うことにした。ノウハウを持たない火葬場の手配などは、外部の葬祭業者との提携を視野に入れている。
葬儀をめぐっては、費用の不透明さや分かりにくさを指摘する消費者の声があり、三越伊勢丹HDの石塚邦雄社長は「顧客から信用をいただいている百貨店として、新たな提案をしたい」と強調する。
(以上)

イオンからSBI証券、ファミリーマート、そして三越伊勢丹HD(2008年統合)・・・ここ数年、類のない勢いで異業種が葬祭業に参入するということになる。
どうやら、2~3年先の近い将来像が朧げに見えてきた。
庶民から見れば、どこまでも不透明な料金体系。
ビジネスに対して、信頼感を持ち得ない業態の欠点。
成熟しない、構築できない、企業間の信頼・協力体制。
腕っ節の強い異業種なら、それこそ丸ごと飲み込むことも可能だろう。
葬儀の仕事は、総合的に儲かる要素がある。
だからビジネスチャンスに繋がる。
しかし、人の死をビジネスチャンスと捉える感覚には異を唱えたい。
そして彼らのビジネスは全て紹介業である。
葬祭業に参入といっても、葬儀社に任せて、撥ねるのだろう。
彼らは大手で、信頼があるから。
今更こんなことを言っても始まらないけど、葬儀社は、一切受けないでもらいたかった。
また、そういう業者間の信頼関係が築けていれば問題はなかったのだが・・・。
こうなってしまったら、行き着くところまで行くしかない。

脳科学者、茂木健一郎先生のツイートで興味深いことが書いてあった。
古い秩序が立ち行かなくなって不安に満ちている時、
それは新しいものを生み出すチャンスが来るというのだ。
それは幕末のように国家レベルでも、個人レベルでも訪れると書いてあった。
ということは業界レベルでも当然起こり得るわけだ。
葬儀業界はスキーム疲労を起こしているので組み替える必要がある。
更に茂木先生は言う。
行き詰った時、内面深く下りていく必要がある、何故このような選択をしたのか
その背景となっている世界観、出会い、習慣を見つめなければ前には進めない・・・と。
最悪の選択は、他者をスケープゴートにすること。
他人を恨んだり、他罰的になっても問題解決には至らない。
内面にある問題を見つめること、怖いかもしれないが、
うまくやりおおせれば深い場所からの大いなる「癒し」を得ることが出来る・・・と。
自身の問題点に真摯に向き合う深い自己反省、それが大切であると。

顧客が満足するなら、間口はどんなに広くても構わないと思っているのだろうか。
きっとそのようになるのだろうけど・・・。
そして業界として、反省したことはあるのだろうか?
それぞれの団体として、反省したことはあるのだろうか?
また、個人レベルでの反省は?

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年01月12日 08:00

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