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2011年02月28日

週刊ダイヤモンドの葬儀特集を読んで(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

2月中旬に発刊されました週刊ダイヤモンドの葬儀特集を読みました。
前回(昨年)の葬儀特集は、刺激的な表題で読者を煽った酷い内容でした。
今回は煽った書き方が減った分(無くなってはないが)、
前回より誠意がある記事だと感じます。
しかし、『葬儀社納得度ランキング』は…やはり酷い内容ではないかと思います。

これ、そもそも「ランキング形式」を辞めれば一つの参考情報にはなるでしょう。
「こういう内容のアンケートをして、こういう回答が得られました」という
事実を掲載するだけにとどめた方が良いですね。
それをどう分析するかは、読者に任せた方が良い。
無理に点数化して、点数の高い葬儀社が良い葬儀社であるような順位付けをするから、
恣意的に感じる、酷い内容になるのだと思います。
その点数化の基準は何なんだ?そもそも納得度って何でしょうか?
ダイヤモンド社を納得させるランキングではないのか!
…と、弊社社長が言っていました。(社長のせいかよッ)

最も納得いかないのは、葬儀社の選定方法が「売上高の上位350社」という点です。
調査方法は「徹底的な調査を実施」だそうですが(それも疑問ですが)、
葬儀社の選定方法が売上高で切られるってのはどうなんでしょうね。
全国でおよそ8000社近く葬儀社があることをダイヤモンド社も自認しているのに、
そもそも350社でランキングなんて不可能じゃないですか。
そして、8000社の中から無作為抽出してアンケートするならまだしも、
「まずは売上高が高くないと評価できないよ」という姿勢は…いただけない。
この「納得度ランキング」で最も重要な指標は、
どう考えても陰に隠れている「売上高」ですよね。

細かいところなのかもしれませんが、売上高で上位350社を切るなら、
その「施行数」と「客単価」は示すべきでしょう。
アンケートで取った『仮想見積もり』より、実態が分かるのではないでしょうか。
あと、売上高の情報基は何でしょうか。上位350社で切ることができる程ですから、
よほど信頼できるところから持ってきた数値なのでしょうね。

あー、文章に皮肉たっぷり感が出てしまった。
つい、批判的なことを書くと、いけませんね。いやですね。
こういうことを書く予定ではなかったのですが…。
今回のような『葬儀社納得度ランキング』は、
私だけでなく他の業界関係者からも批判されています。
(社長だけではなく、業界関係者も引っ張り出してしまったね)
中でも、碑文谷氏が舌鋒鋭く批判されているかと思います
それで、何故このような記事が批判されやすいのかという点を考えると、
もちろん記事の内容が酷いということもあるのですが、
それが「一般の葬儀感」に影響するからかなと思います。
そのことを書きたかったのです。本題としては。

葬儀社スタッフは、目の前の喪主や遺族へのサービス、
言葉を代えると顧客満足に注力することが、現代の一般的な姿勢かと思います。
葬儀の礎をなす感性や文化も重要でしょうが、
サービス業としての葬儀の在り方が問われている時代です。
「葬儀とはこういうものだ」という観念を熟成させるより、
喪主や遺族の要望にどれだけ応えられるかが、
まさに葬儀の「納得度」に繋がっていると思います。

しかし、近年葬祭自体に対する忌避感が薄れ、
生前から葬儀に関する多様な情報があふれる中で、
「葬儀の多様性」が無限に広がりつつあります。
弔い方が人それぞれになる一方で、
人が亡くなったことに対する受け止め方も多様性が出はじめています。
喪主がOKでも他の親族は満足できない。
もしくは遺族にとっていい葬儀でも、会葬者に不満が残るといった問題が、
今もあるでしょうが、今後ますます出てくるかもしれません。

だからこそ、ある程度の葬儀の感性、
葬儀の文化というものは統一されていた方が良い。
そう考える葬儀関係者もいらっしゃるでしょう。
それゆえ、一般の葬儀感に関わるような情報、
ダイヤモンド社のようなマスコミから大衆に向けられる情報に対して、
ビビットに反応するようになっているのかなと思います。

今一、纏まりのないエッセイですが、
週刊ダイヤモンドを読んで、そんのことを感じた次第です。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年02月28日 08:00

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