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2011年04月08日

笠地蔵の話(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

昨夜は、また大きな余震がありました。
深夜の地震で津波警報も発令されましたから、
被災地の方は本当に大変な思いをされていると心苦しい限りです。
4月6日の時点で、M6以上の余震が66回も起きているそうで、
今回の震災の規模の大きさははかり知れません。
早く落ち着いて欲しいと願うばかりです。

さて、仕事帰りの車の中でラジオを聞いていると、
依然として震災関連の情報提供が多い。
テンションの高いポップなパーソナリティも、
まだ震災モードなのか口調が幾分大人しめです。
そんな状況で「子ども達のために声優が絵本を朗読する」コーナーがあり、
ラジオらしい被災された方への優しいコーナーだと感じ興味を持ちました。
ま、絵の部分はラジオでは見えないのですが。

話は「かさじぞう」。あらすじは、
「ある雪深い地方に、貧しい老夫婦が住んでいた。
 年の瀬がせまっても、新年を迎える準備も出来ていなかった。
 そこでおじいさんは、家にあったばあさんの反物を売りに町へ出かけるが、
 全く売れなかった。結局、安い値段で反物は売れた。
 しかし、おじいさんは、町の境で吹雪の中にさらされる6体の地蔵を見かけると、
 反物を売ったお金を使って笠を5つ買い、それを地蔵にかけてやった。
 足りない1つには、自分の笠をかけた。
 帰宅後、おじいさんからわけを聞いたおばあさんは、
 「それはよいことをした」と言い、正月の準備ができなかったことを責めなかった。
 二人は、お湯に漬物を食べて寝た。
 その夜、老夫婦が寝ていると、家の外で何か音がする。
 老夫婦が外の様子を伺うと、モチをはじめとする様々な食料、財宝がつまれていた。
 老夫婦は、6体の笠をかぶった地蔵が去っていく様を目撃する。
 この贈り物のおかげで、老夫婦は無事に年を越した」
というような内容だったと思う。
そういえば、小学校の教科書にも載っていましたかね。
いま改めて聞いてみると、地蔵は出てくるし、
「正しい行いをする者は救われる」展開は仏教思想に繋がっている気がします。

しかし…最後の話の展開が気に食わない。
じいさんが地蔵に笠を掛けた善行は良いことだし、
それを責めなかったばあさんにも心を打たれる。
だから、「二人でお湯に漬物を食べて寝た」で、
話が終われば良かったと思う。
もしかしたらこの時、老夫婦は十分に幸せを感じていたかもしれません。

しかし、その夜に地蔵が善行に報いて食べ物や金品を持ってくる超展開があることで、
「じいさんの善行は、大量の食べ物や財宝に値する価値があった」という、
「見返りがあって、報われて良かった」みたいなお伽話の印象にならないでしょうか。
もちろん、じいさんが報われて良いのですけれども、
その結果、物語としては、善行が物品という対価に置き換わり、
善行の価値が薄まっている気がするのです。

世の中の多くの善行には報いが無く、
見返りがないからこそ善行がより輝くと思うのですが…
天の邪鬼な考え方でしょうか。

 

第16話の前半・後半です。
太のお父さんが・・・。
第一部の物語は、ここから大きく動いていきます。


祭壇飾りの事ですが、大道具さんや美術さんも良くやってくれましたが、
如何せんこちらはプロですからね。
幕の張り方や祭壇に至るまで、間違いの発見が沢山ございまして、
いちいち意見するのも何ですから率先して修正しました。
因みにそのままスタッフを相手に葬祭セミナーに入り、色々と講釈を垂れていました。
「井出一馬ちゃん、役者よりも別の道の方が向いてるんじゃない?」
などと冷やかされたりしていましたが、なんのなんの・・・なんのは南野(古っ!)
結果的にその通りになった次第でございます。



投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年04月08日 08:00

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