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2011年11月14日

おつとめ「調声人」を体験しました(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

私は今、浄土真宗本願寺派中央仏教学院
通信教育学習コース2年に在籍しています。
通信課程ですが、月に2~3回は東京の築地別院に通い、
3学年の仲間と教科学習をしています。
その学習会では2年生になると、全員が交代で朝と帰りのおつとめの
「調声人(ちょうしょうにん)」をすることになっています。
朝は専修コース2年生が讃仏偈、夕方は学習コース2年生が、
重誓偈のおつとめ調声人をします。

「調声人」の役割は、導師として一人でご本尊前に座り、
全員の合掌礼拝をまとめ、おつとめの中で「大鏧(だいきん)」を鳴らし、
おつとめの最初の出だしを一人で唱える等など、
初心者の私としては経験したことの無い大役ばかりです。
実際に自信をもって一人で行うとなると、
ひとつひとつの動作や、言葉を正しく知らなくてはいけません。

例えば、念珠や経本はどのように持ち、
まずどこに立って、誰に挨拶をするのか・・・。
どちらの足から出て、どこで止まって一礼するのか・・・。
どのように座り、経本はどこに置くのか・・・。
経本のいただき方は? その動作は? 最初に発声する言葉は?
大鏧(だいきん)の打ち方は? 桴(ばち)の持ち方、置き場所は?
出だしの音は? 速さは? 終了後はどのように下がり、
どちらに向かって退出するのか・・・等などです。
調声人は、「ただ全員の前に座って、大きな声を出せばいい」
ということではありませんし、もちろんマニュアルなんかありません。
又、聴衆(100人以上)に背中を見せたままというのも私は初めてです。
そこにいるのは、同じ浄土真宗を学ぶ学習会の仲間だけですが、
知らない人も多く、どんな表情でこちらを見ているのかも分かりません・・・。

そこで、接遇講師の血が騒ぎました!
接遇研修会のロールプレイングと同じで、何をどのように行動するのか、
喋るのかを具体的に洗い出しました。
「2つ以上のことを同時にしない」という基本も同じです。
先輩講師のご指導もいただきながら、全体の流れや動作の目的、
何をすればいいのかが分かって行きました。

①念珠は左手、経本は右手
②まず聴衆に向けて、一礼
③畳の縁をふまずに、左足から進み、正面に来たらご本尊に一揖 
④(この日は和室だったので)座布団に座り、
畳の上に経本カバーを置きその上に経本を置く
⑤大鏧の中から桴を出し、経本の横に置く
⑥「御一同様、合掌をいたしましょう。なまんだぶ、なまんだぶ(一息が続く
まで7回程度) 礼拝」と大きな声でリードする
⑦後ろの人に見えるように経本をゆっくりと丁寧に額の前でいただく
⑧経本を開く
⑨大鏧を2声ゆっくりと鳴らす
⑩重誓偈の出だしは、ドレミの「ミの音」で唱える
(という決まりだが、本当の「ミ」の音だと少し高いので、
ミの♭位がちょうどいいと私は思っている)
⑪出だしの「我(が)」の長さは、二分音符1個分
⑫自分の後ろにいる1列目の人に聞こえる声の大きさで
⑬速さは♪=50(1分間に50のテンポ)  etc.(まだまだ続く)
という分析です。

そして、自宅で練習をしました。
鏧は、サラダボールです。桴は、スリコギです。
鏧を叩くタイミングや音の大きさもすごく大事で、何回も練習しました。
頭で考えるだけで出来るほど、調声人とは、簡単なことではありませんでした。

お念仏は、「私の口から出ていて、私では無い」と言われます。
「阿弥陀仏から言わされている」とも、よく聞きます。
私の本番は、変な緊張感に襲われましたが、目の前の阿弥陀様が、
「そなたの救い、私が引き受けた」と言ってくれているようで、
不思議な安堵感と共に、ただただ一生懸命に調声人の役割を果たしました。
初めての「調声人」は、他のことでは味わえないような
大きな達成感に包まれました。「又、やってみたい」と素直に思います。
合掌

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年11月14日 08:01

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