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2012年10月19日

アスクルでエンディングノート(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

葬儀への関心の呼び水として、
今最も注目されている「エンディングノート」。
ついにアスクルでも購入できる時代になりました。
・・・USBに内蔵されたシステムとして、でですが。
試しに買ってみました。

 

他人の作ったシステムを触ってみるのも面白いものです。
見た感じはアナログのエンディングノートをそのままシステムにした感じです。
プログラム的にはそれほど難しいものではないでしょう。
それでも、終末期の備えや葬儀などの希望を書き留めておくエンディングノートの
目的は、達成できる仕組みになっています。
実際に操作してエンディングノートを書いてみると、
「質問項目」が興味深いものでした。

本来は、自身の終末期治療の希望や葬儀、またお墓に関する希望は、
まっ白なノートに自由に書いてもらえることがベストでしょう。
しかし、それでは一般人は何を書いて良いかわからないということですから、
葬祭やデスケアにある程度精通した編集者が、質問項目を精査して揃えます。
その質問項目に沿って希望を記入していく方式が、
今の一般的なエンディングノートの「形式」です。
ある程度の「形式」が無いと先に進めないのは、
葬儀の打ち合わせもそうかもしれません。

そしてこの「質問項目」こそが、エンディングノートの価値を決めるものでしょう。
「質問項目」によって何を記録することになるかが決まりますから。
葬儀担当者が葬儀の価値を決める大きな要因になることにも似ています。
そこで、今回のアスクルのエンディングノート(データ)にあった、
少し気になった質問項目をピックアップしてみました。

○治療について
(1)「助かる見込みが無い状態において、苦痛が激しくなったとき、
 命を縮める可能性があっても、苦痛はやわらげて欲しい」
(2)「助かる見込みが無い状態において、苦痛が激しくなったとき、
 命を縮めてまで苦痛を取り除きたくないので、その時は苦痛はそのままにしてほしい」
・・・この2つの選択肢しかなかったのですが、
後者の選択肢を選んであった場合、患者の家族は判断に迷わないか??

○お葬式とお金について。
(1)「お葬式には積極的にお金をかけるべきだ」
(2)「積極的にお金を掛けるべきではない」
(3)「お葬式にお金をかけることは悪いことではない」

・・・この3つの選択肢しかなかったのですが、
『お葬式にお金を掛けてもらいたい』という意図を感じずにはいられない。
「積極的にお金を掛けるべきではない」というのは、
「普通程度には掛けてよい」という風にもとれる。

○納骨の希望はありますか?
(1)「散骨」
(2)「樹木葬」
(3)「宇宙葬」
(4)「納骨加工(手元供養)」
(5)「その他」

・・・この5つの選択肢しかなかったのですが、
一般的な墓地、もしくは納骨堂への納骨を希望する場合は「その他」を選ぶべきか。


ま、全ての人が希望通りになる「エンディングノート」は難しいですね。
全ての人の価値観に合わせることはできませんから。
「エンディングノート」自体にも編集者の作為があるし、
だからこそ、自分に合った「エンディングノート」を見つける事が大切なのでしょう。
ただし、少なくとも一般的な選択肢や質問項目が揃っている、
エンディングノートであって欲しいものだとは思います。
実際に記録を付けてみての感想です。

話が変わりますが、以前に聞いた話ですが、葬儀に従事されている方曰く、
「施行したい無宗教葬儀がある」人の無宗教葬儀希望の方と、
「アンチ仏教」や「アンチ宗教」の人の無宗教葬儀希望の方とでは、
打ち合わせの方法も全く変わってくるとのこと。
同様にエンディングノートも、「自分に書きたい事がある」人が書くべきでしょうが、
今の流行に乗って何となく書いてみるか・・・と言う人も多いでしょう。
そういう人は、質問項目によって書く内容が「誘導」されやすい人かもしれません。

話が散漫としましたが、
実際にエンディングノートを書いてみる、記録を付けてみるということは、
なかなか楽しい体験ではありました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2012年10月19日 08:30

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