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2005年05月27日

葬祭ホール・リーダー研修会(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

先々週に引き続き、愛知県の葬祭団体で研修会をさせていただいた。
今回は初めて、葬祭ホールのトップと現場リーダーばかりを集めた
「接遇ロールプレイング研修会」だった。
いつもの研修会ではどちらかと言えば、研修を受けるスタッフたちに
叱咤激励を送る側の人たちが今回は受講生になって、
お客様に向けた接遇を実践訓練した。
もちろん私からのご指導は、
いつもの現場スタッフたちに対するものと同じにさせて戴いた。



この研修会は2部構成で、1部は実際にホールを使った「接遇の基本スキル」。
2部は真宗大谷派の葬儀儀礼にのっとった「模擬葬儀の接遇実践」である。
この構成での研修会はすでに3年目に入るが、
私の目にも確実に皆さんの接遇スキルがレベルアップしていると感じた。
新人スタッフも先輩の良い接遇を見ながら育つのと否かでは、
成長の仕方が随分と違うはずだ。

模擬葬儀では2~3人体勢のグループを組んで、
軽く進行の打ち合わせをしただけで臨む。
葬儀の実際の現場はその時々で状況が変わる。
その状況対応が難なく出来るということが、
葬儀スタッフとしてなくてはならない力である。
常に周りのスタッフに目を向け司会進行の言葉に耳を傾け、
お客様の動きや様子、目の前で繰り広げられる儀式をサポートして行くのが
葬儀スタッフたちの使命である。



この研修会は「使い回しの白手袋が冷や汗でしっとりと湿る」
と言われるくらいに、受講生にとっては冷や冷やものの実践研修会だ。
全員の受講生が見ている前で、厳しい目に晒されながら
デモンストレーションのように進めて行かなくてはならない。
その場所に立ったら、自分の実力以上のことは出来ない。
ベテランスタッフでも手元が狂ったり、口のろれつが回らないことも続出する。
その中でも安心して見ていられるスタッフはさすがである。
自分の形を持っている。
自分の言葉を持っている。
自然な動きや態度が様になっている。
ここに来るまでには随分とその人なりの思考錯誤が行なわれたのだろうと思う。
「さすがリーダー!」と感心するグループも多い。



特に葬儀の仕事は1回1回の現場を経験させて戴きながら
「OJT」(on the job training)
仕事をしながらの訓練をして行くことが多い。
自分がしていることを何も考えずに
「出たとこ勝負」をしている限り上達は無いだろう。
ご案内、お辞儀、言葉づかい、目線、態度、表情・・等などのすべてに、
意味があり、お客様の気持ちがあり、そのことに気付くことで初めて心が入って行く。

私は、冷や汗をかいて、ドキドキしながら、恥をかきながら学んで行ったものは、
必ず身につくと信じている。(自分がそうだった)
ロールプレイング研修会は、本番さながらの空気の中で繰り広げられ、
受講生の皆さんも、指導させていただく私も気持ちの入れ方は強い。
7組のスタッフが20~30分の模擬葬儀を終える頃には、
私もヘトヘトになるのがいつものパターンだ。
今回も一つ一つの動きや言葉を止めて繰り返し検証しながら、
「今、何を考えながらそれをしていましたか?」
「今のお辞儀は、どなたにしているのですか?」
「今、そこに立っている意味は?」
「もし、実際にそのようなアクシデントが起きたらどうしますか?」
という私の多くの問いかけに、受講生の皆さんも「葬儀の接遇」を深く考え、
これからの課題を見つける一つの機会になってくれたのではないかと思っている。

次回は、実際に現場に立つ葬儀スタッフたちのロールプレイング研修会だ。
今回の受講生であったリーダーの皆さんたちの熱い思いが
現場スタッフたちにも伝わって、より良い研修会になるのではないかと
今から楽しみにしている。
私もさらにエネルギーを蓄えて臨むつもりだ。

私が、6月15日のフューネラルフェアで講義をさせていただく
「葬祭接遇」実践講座<できるセレモニーアテンダント養成術>では、
この数年間に全国でご指導させて戴いた
「葬祭ホール・ロールプレイング研修会」のエッセンスをお伝えしたいと思っている。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年05月27日 18:52

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