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2004年09月14日

言霊の競演 (加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

9月13日、14日
綜合ユニコム主催・葬儀セレモニー司会術の、「ベーシック講座」と「ナレーション講座」があった。14都道府県から葬儀司会の達人を目指した人々が集まった。延べ2日間にわたり、真剣な66の眼差しが講師の井手一男を見つめたことになる。

井手の司会研修会は、私が司会者見習いのときから随分と参加しているが、いつも受講生と同じようなあらたまった気持ちになる。そして不思議なことに毎回葬儀司会についての新しいことを発見するのだ。参加者はプロ司会者や、葬儀担当者、婚礼司会者からの転向者まで、自身の司会のレベルを上げたい、司会者として少しでも成長したいと思う面々だ。ただ、スグに出来るようになるほど葬儀の司会は簡単なものではない。接遇もしかり「葬儀はすべてにおいて、深い世界だなあ・・・」と痛感する。
今回私は井手のアシスタントとして参加した。発声練習は元より受講生と同じように緊張しながらの研修は、久しぶりに充実した時間だった。

葬儀進行言葉やナレーションになると、受講生自身の声や気持ちのパワーがそのまま試される。声が出る人も出ない人も、葬儀司会に慣れている人もそうでない人も、そのときの自分を一生懸命表現してくれた。葬儀の参列者の耳に届ける言葉ということに焦点を合わせ、井手の妥協を許さない指導が続く。一日たっぷりと声を出しマイクをにぎり恥をかきながら冷や汗を流しながら・・・それが紛れもなく受講生の血となり肉となり、力となって行くのを目の当たりにした。受講生の耳や身体に「葬儀司会のノウハウ」がどんどんと染み込んでいく。そして見違えるほど上手になっていく人、人・・・。
素晴らしいの一言!

今回私は、ユニコムさんから出させていただいた葬送BGMからの数曲を受講生のナレーションや弔電奉読のバックとして、生で弾いた。マイクを持つひとり一人の受講生の一生懸命さや魂が言葉となって表れる。私も受講生をサポートする熱い気持ちで演奏した。少しでもその人の言葉をさり気ない音色で支えることができたらという気持ちだった。2日間で延べ66曲、生の演奏をした計算だ。間違えてはいけない。ましてや変な音を弾いて喋っている人がずっこけるようなことは、決してしてはいけない。結構緊張したが私が弾いている音と、受講生の言葉が不思議に交わる、心地よい瞬間が幾度もあった。

葬儀の現場でお客様の耳に聞こえるものは、言葉も音楽もそれによって癒されるものでなくてはいけないということを改めて実感した2日間だった。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2004年09月14日 00:51

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