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2006年06月26日

葬儀スタッフの「見た目強化」 (加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

今読んでいる本の中に、
「人は見た目が9割」(竹内一郎著:新潮新書)という本がある。
その中に、先日私がエッセイで書いた、
人が人のどこを見たり感じたりしてその印象を決めるかという
「メラビアンの法則」が出てくる。
(見た目が55%、音調が38%、言葉が7%という結果)
この数字を足していっても分かるが、人の見た目は、
その9割で決まるということが、様々な角度から書かれている。

葬儀の現場でも同じだ。
スタッフがお客様に向かってどのような言葉を使うかの7%よりも、
93%もの割合で、見た目を優先させるということである。

この世の中の、どの業界で働いていたとしても、
お客様とのコミュニケーションを取る上で、
言葉はなくてはならない大事なものである。
7%ということは、7%しか聞き取ってもらえないということでもあり、
それだけ大切に使うことが求められる。

葬儀スタッフとして、細心の周囲を払って言葉を遣う必要があるのは、
生前相談~葬儀依頼の電話~受注打ち合わせなど、
直接お客様と細かいことをやり取りする場面である。
そして、その後の通夜・告別式など、現場に出てからは、
決められた進行に沿って必要最低限の言葉で進められて行くことが望ましい。
式場では長い説明言葉よりも、
短くて分かり易い、ひらがないっぱいの言葉が求められる。
多くの項目を伝えなくてはいけない、
控え室の使い方等は、短いセンテンスでお伝えする方が分かり易い。
又、ビジュアル的に書面にして見せながらの説明も必要だ。

悲しみのお客様は、長い説明を聞くことには耐えられないことが多い。
疲れていたり、落ち込んでいたり、悲嘆の心理が優先するからだ。
そんな時に、周りくどい下手な説明をされても、
お客様は、大抵は途中から聞いていない。
それに気づかないスタッフも、
お客様を見る心の余裕が無いからそういうことになる。

私も葬儀接遇研修会をはじめた頃は、場面別接遇言葉を様々に考えて、
使えるものをたくさんロールプレイングの台本にしてご提供した。
ところがスタッフたちにとって、
日頃使わない言葉をしゃべれるようになるまでに時間がかった。

私自身は、歌や司会など人前に出てすることが好きだ。
人前に出ると俄然張り切って、しゃべり出すのが、幼い頃からの私のやり方。
葬儀の現場に出始めた頃も、
(お客様へ言葉がけなど誰も教えてくれないものだから)
自分でご案内言葉を作って、考えて、言ってみて、
作りなおして、カードに書いて、私らしい接遇言葉を開発して行った。
しかし、実際に現場で使うことはあまり無かった。
葬儀式場でのご案内・誘導などは、最小限の言葉でいいと思う。
何を伝えたいかのポイントさえ抑えて、そのお客様に伝わればそれでいい。

過去に、悲しみが大きなすごく大変な葬儀で、
皆さんが泣いていて話しかけることすら難しいような時があった。
私もレディとしての仕事をほとんどジェスチャーのような、
言葉のない動きだけで進めた記憶がある。
一応言葉にはするが、ほんのささやくような音量で言葉がけをした。
まさに「動き」や「見た目」だけでの勝負である。
それでもきちんと自分の意志が決まっていて、的確な指示さえ出していれば、
そしてお客様が理解してくださったかを見届けることすら忘れなければ、
上手にご案内や誘導が出来た。
この時、葬儀スタッフにとって「動き」という「見た目」は、
重要な接遇スキルであることを学んだ。

そして今、こうして葬儀スタッフ向けの教育をさせて戴きながら、
これは接遇のセミナーの場合だが、研修の中でスタッフの言葉には固執しない。
もちろんお客様への心遣いとしての、
良い言葉遣いは必要だが、一字一句の細かい指摘はしない。
ましてや自分が話したこともない言葉や、言い回しを強要することは、
接遇研修会としては逆効果にもなりかねない。
言葉を覚えるだけで、又、言わなくてはいけないと思うだけで<
緊張するし、身体も固くなる。
私はそのスタッフの言語レベルに近づき、動きと共に、
言葉のポイントだけをご指導する。
後は、スタッフに気持ちが伴って経験して行けば、
心遣いある言葉は自然と出てくるものだ。

多くの葬儀スタッフは、1日でも早く、
「見た目」の強化に取り組まなければいけない。
それを見た葬儀のお客様が、それだけで「安心」するような、
「信頼」できるような動きを身につけて欲しいと、
心から願って、セミナーをお届けしている。

2006年フューネラルフェア初日、6月27日 12時30分より 
【接遇アテンダント養成講座 クオリティを高める「7つの勘どころ」】
アテンダントの7つの動きをお伝えいたします。
是非、お出でください。


<井手の割り込み>
明日の準備のために今日から横浜に泊り込みます。
工場長が「ゆるーい」感じでFUNETの展示をしておりますので、
そのお手伝いとチェックが目的です。
前泊は私だけですが、フェア初日の夜は、
加藤も橘も工場長も泊まるので、きっと皆で中華街…引率は石川。
今回の楽しみの一つ…。

学習とは、「知識」を学んで「スキル(技)」を習うこと!
私が担当するc-1講座 c-5講座は、初の試みとして
テキストに「音声教材CD」が添付されています。
(詳細は過去ログで)
司会のスキル向上には、個別学習を可能にする音声教材がとても効果的。
何故なら、知識を学ぶのは集団教育でも可能だが、
スキルの習得には断然、個別教育が向いているから。

今年リリースする「珠玉の葬儀ナレーション集」や、
FUNETの音声トレーニングに力を注いでいるのはそのためです。
テキストに添付される「音声教材CD」で体感していただきたい。
講座内でも時間の余裕があれば、10分程度の長いナレーションを
聴いていただこうかと思っています。

エッセイは、会場からもタイムリーにお届けする予定。(暇があったらね)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年06月26日 00:00

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