ところがつい先日この電車に乗った時、
何を間違えたのか、おじさんが一人乗っていた。
多分、東京の人では無いのだろう。
「気づかない」ということは幸せなことだ。
私は一瞬教えてあげようかと思ったが、離れていたし、
周りの女性も何も言わないので、そっと観察していた。
「知らない」ということは幸せなことだ。
専用車であることを知らないこのおじさんは、
周りが女性ばかりなので、結構うれしかったのかも知れない。
それを不思議に思わないところが、大きな間違いなのだが・・・。
そのとき私は新宿で降りたが、新宿では随分混み合ってきて、
その後白い目で見られたかも知れない。
あれだけ窓ガラスにも、ピンクのシールが貼ってある電車なのに、
気づかないものだなあ・・・と、逆に感心してしまった。
地方の男性の皆さん!
東京に出張に来たら、朝の1両目、ピンクのシールには、
くれぐれもお気をつけください!
先日、その女性専用車両に乗って飯田橋まででかけた。
ここに「こころとからだの元気プラザ」という女性専用の病院がある。
日本で初めての本格的なトータルウィメンズクリニックとのこと。
人の臓器だけを見るのではなく、
一人ひとりをオーダーメイドで診るという病院だ。
1階から6階まで名前がついている。
2階は森のフロア、3階は海のフロア、4階はアジアンリゾートのフロア、
5階は空と大地のフロア、そして6階が女性専用の天使のフロアと、
名前がつけられている。(どこかの葬祭ホールのようです)
その6階が、受付から看護師、医師まで、すべてが女性だけというフロアだ。
うたい文句も「メルヘンチックなエンジェルアートがお迎えする女性専用の
フロアです。プライバシー性の高い空間と心地よいヒーリングミュージック
で居心地の良さを追求しました」と書いてある。
それこそ、ここに男性が入ってくれば丁寧にお断りをされるだろう。
他のフロアには男女の外来診療科があるが、この階だけは女性専門。
健康診断もやっているので、待合室にいると、
次から次へと周辺の会社のOLさんたちや老若女性が入ってくる。
![](http://www.mcpbb.com/blog/archives/061028-3.jpg)
1階のエントランスは、ホテルのような雰囲気でとても広くて明るい。
受付では、入ってくる人一人ひとりに係が挨拶をしてくれる。
ロビー横では、アートの個展をやっていて、素敵なオブジェが風に揺れている。
6階女性専用のロビーは、まるで応接室のようだ。
洋家具や、籐の椅子が置いてあるし書籍も多い。
椅子は、他人と目が合わないような配置になっている。
自由に飲めるコーヒーやお水が置いてあって、
自然体でゆったりと過ごすことが出来る。
廊下がまっすぐではなく、壁は曲線を描くようにデザインされている。
人の目を気にすることなく、静かにすごせたことはとてもよかった。
壁の色、素材、デザイン・・・。
女性が好むようなおしゃれな空間だった。
診察室も、個人が大切にされていると感じた。
私が入った診察室には、おしゃれな洋家具が置いてあった。
![](http://www.mcpbb.com/blog/archives/061028-4.jpg)
そしてその良さは、ハードばかりでは無い。
検査を担当した看護師も、女性の医師も、
コミュニケーションがトレーニングされていると感じた。
診察や検査では必ず行われる「説明」「患者の理解」「その確認」が、
きちんとなされていた。
女性の目は厳しい。
特に病院内の清潔感、スタッフのやさしさ、親切さ、
それを気持ちだけではなく、言葉や動きで表現してほしい、
自分を見て欲しい・・・と思っている。
そういう気持ちに十分に応えてくれる病院だと感じた。
病院とは、頻繁に行く場所では無いだけに尚更その印象は強い。
とかく病気だけを見て、人を見ない医療への不信は多い。
私にとって「病院の中で大切にされていること」を実感できる場所だった。