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2006年12月14日

社葬 in 久留米【全4回】 その1(工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

そこに社葬があったから、久留米に行った。
ということなのだろうか。
ともかく、井手さんからチケットを渡されて、
12月8日に久留米に飛んだ。
(電波少年か!)

FUNET会員のJAくるめ様において、
大きな社葬が入ったということ聞いていた。
DVD映像とメモリアルコーナー用のパネルを、
FUNETを活用して社葬に取り込むということで、
私がサポートできることがあれば、相談してくださいとは連絡していた。
それが、井手さんから突然飛行機のチケット渡されるとは…。

「問題が無ければ、単に見学をして帰ってくれば良いよ。」
と言われましたが問題があったら…ま、相談すればいいか。
もちろん、私は施行経験は0だし、
社葬に関しても6,7回、見学や進行台本の叩きを作った程度。
自分でサポートできることと言えば、
変更点があった場合、パネルやDVD映像を再編集するくらい。
一応、その準備は入念にしておこう。

両手に荷物を抱えながらの羽田空港。
電車が相当遅れて、一便遅らせても良いかと思っていたけど、
何かあったらと思い、猛ダッシュで搭乗手続きを済ませた。
(たっく、汗かいたぜ)

…良くない予感を感じていたのかもしれない。
飛行機は予定通り福岡空港に到着して、博多から各駅停車で、いざ久留米へ。
(やったるで)
その車中、突然担当のMさんから電話が入った。
(うそ、…タラー)

Mさん:「工場長!ちょっと問題が発生しました。」
工場長:「はい。どうされましたか?」(と平静を装いつつ)
Mさん:「DVDの映像ですが、先方の社長が突然、修正してほしいと…。
     前日ですが、できますか?」
工場長:「映像の内容だけなら可能ですよ。修正の詳細はわかりますか?」
Mさん:「15時に社長が来て、カットして欲しい写真を指摘するから、
     それに同席してもらっていいですか?」
工場長:「…はい。大丈夫です。」(ホッ)

そんな訳で、普通から快速に乗り換え。
電話の口調から、何かマズイ写真でも入っていたのかなと思いながら、
とりあえず、行ってみないと始まらない。

式場に到着。
まだ社長は来ていないと言うことで、ぎりぎりセーフ。
先月久留米に来ていたので(詳細は、「2本シリーズ」を)、
そんなに久しぶり感はありませんでしたが、
Mさん、元気そう(というか、忙しそう)で何より。

早速、社長が来る前に、DVDの映像内容と使われ方をチェックして、
社長到着に備える。
弔電の拝読時に、スクリーンを下ろしてDVDを流すようだ。
ふむふむ。

故人の家族の写真、そして会社での仕事風景といった内容の、15分程度の映像。
見終わってから、
「幾つか写真をカットして欲しいと言う要望なのですね?」と、Mさんに確認。
その理由を、「映像時間が長いからかな」「まずい写真があったからかな」と、
想像しながら社長の到着を待つ。
(それにしても、私、微妙な立場ですよね。)


社長が到着。
Mさんの早い手招きに引っ張られながら、社長に紹介される。
一応、Mさんから【DVD製作のサポート人】と言う役職をゲット。

社長は、ちょっとイライラした感じで、
「今のままじゃ、この映像は流せんと」という。
どうやら、写真のカットだけが、
この社長の不満の根本でないかもしれないと、一瞬感じる。
前日になって、修正を依頼してくるくらいだからね。

とりあえず今ある映像を流しながら、
社長がカットの指示を出すということになった。
「この写真、カット。これもカット。」
理由は述べずに、カット映像を言っていくだけの社長。
「この写真もカット。」

映像を見終わって、カット枚数は8枚。
ただ、社長は硬い表情が続いたままだ。
この時点で私は、
「この程度の修正であれば、問題ありません。1時間程度で修正したものを出します。」と、応えた。

すると、
「君が映像を作った人かね。一応、カットの理由を言っておくよ。」
と、社長がMさんにもう一回映像を流すように促し、私にカットの説明をしてくれた。
要点をまとめると、以下の通りだ。
(1)辞めた社員が一緒に映っている写真がある
(2)家族の写真が多く、仕事関係の写真が少ない

「社葬として行うのだから、会社としての故人をもう少し表現して欲しい」
というのが、社長の要望のようだ。
なるほど、今流れていた映像は、家族やお孫さんの写真が多く、
社長の暖かさはメッセージとして強く感じられるが、
直向に仕事に励み、社員を引っ張ったメッセージは弱い。
「明日は、仕事関連の人がほとんどなんだ。」

そこで、私は改めて一般会葬者が手にする会葬礼状を確認した。
『●●株式会社代表取締役 故●●●● ●●株式会社 社葬』
と、書かれてある。
挨拶文も、葬儀委員長(社長)の名前だ。

ようやく不満の本質が見えてきた(と、思う)。
そこで、Mさんと話し合う時間も無いので、私が率先して発言した。
( ※ このあたりから、ちょっと工場長が出しゃばります。)
「了解いたしました。会社の代表取締役としての故人が表現されている映像に、
 作り変えます。明日は、密葬を行った上での社葬ですので、
 その方が、式も引き締まりますし、社葬に流すDVDとしての意義も高まります。
 ご家族の納得も得られるかと思います。
 ご確認が遅れて申し訳ありませんが、2時間程度時間をください。」
さらに付け加える。
「私が頂いていた写真は、ご家族から頂いたものですので、
 家族と映っている写真が多くありました。
 もちろん、仕事の写真もありますが、作り直すには数が足りないと思います。
 前日で慌しいところ恐縮ですが、会社に故人の写真はございませんでしょうか?」

<井手の割り込み>
さあ工場長ピンチだ。
どうする?
このまま帰京すれば、当然パンチだ。(右フックと左アッパー)
実は工場長から、私の所へもSOS発信が着ていた。
でも話の内容を伺うと慌てるような事じゃない。
充分に時間はあるし、作り直すのも簡単。
むしろ問題なのは、先方とのコミュニケーションの行き違い。
ポイントはここだけ。
落ち着いて対応することが大切です。

そこで私からのアドバイス。
「漢字は読めなくても、相手の感じは分かるだろう?」
…まったく受けない。
「ピンチを楽しめ!」
…返事もしない。
おいおい、大丈夫かあー。

明日は、その後の奮闘振り。
(…その2へつづく)

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年12月14日 00:00

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