« 四人姉妹「お花見&温泉旅行」(加藤直美) | メイン | 時間よ、止まれ! (石川 元) »

2007年04月24日

数字の表現(工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

今年、「千の風になって」が大流行している。
葬儀で使える「千の風になって」のBGMが弊社にないのか、
という問い合わせが来る程である。
(残念ながら、「千の風になって」のBGMは弊社にはありません。)
あまりにもヒットしているので、普段気にならないことが気になる。
「千の風になって」は、なぜ「千の」風なのだろうか?

単純に考えると、「a thousand winds 」という
原詩の英語をそのまま訳したのだろう。
ただ、「千の風」って、いまいち意味が掴みにくい。
風速が1000m/sで、恐ろしく暴風ということでもないだろう。
「千の風になって」は、優しさに溢れている詩である。

意味の掴みにくい数字の表現は、他にもある。
「百万回生きたねこ」(絵本)
「1リットルの涙」(ドラマ)
両方とも、現実離れした数値が付いていて、
リアルに想像し難い。
一方で、内容は両方ともとても切ない。
いわゆる、お涙頂戴ものである。
有名なタイトルなので、ご存知の方も多いだろう。
数値の大きい数字の表現は、
悲しさや切なさを増幅させる効果があるのかもしれない。

他にも調べてみると、数字の表現は案外多い。
楽曲に絞って、「千の」というキーワードで検索をかけてみると、
100曲以上が引っかかる。一部を紹介してみると、
「千のナイフ」(坂本龍一)
「千の夜をこえて」(Aqua Timez 太志)
「千の夜と千の昼」(元ちとせ)
「千の花千の空」(清田まなみ)
「千の小鳥」(少年有理)
「千の瞳」(世古あき子)
「千の雪」(島野聡)
「千昌夫」(歌手)   …etc.

何にでも「千」という数値が付いている。
しかも、内容は切ない感じである。
「千の風」だけが特別なのかと思っていたが、そうではないようだ。
「千昌夫」なんて、名前自体に「千」が付いている。
歌手で成功し、一方で、ホテル事業に失敗し、
一千億円を超える借金を抱えているなんて、
何と切ない人生なのだろうか。
恐るべき「千」パワー。

こうなってくると、
「千載一遇」「千秋楽」「千と千尋の神隠し」など、
「千」が付く言葉全体が気になってくる。
そもそも、「千」という単語自体が気になる。
国語辞典で調べてみると、
① 100の10倍の数
② 数の多いこと
という2つの意味があるようだ。

なるほど、「数が多いこと」を示すのに、
「千」を単語に付ける使い方があるのか。
これで、ほとんどの言葉が説明できる。
ただ「千の風」は、何の数が多い風なんだという疑問は残る…。
全て語らずが、日本的なのかもしれないが。

ちなみに、弊社の司会文言にも、
「千」という単語が稀に登場している。

・それは幾千年の彼方より……
・幾千万の蝉たちが……  etc.

葬儀では、切なさを帯びた「千」という表現は、
合っているのかもしれない。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2007年04月24日 09:24

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mcpbb.com/blog/mt-tb-funet.cgi/1042

(C)MCプロデュース 2004-2013 All Rights Reserved.