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2011年04月15日

ユニバーサルな接客・接遇の対応を (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

私は講座の中で、よくユニバーサルデザインの話をします。
ユニバーサル=普遍的な、全体の、という言葉が示しているように
「すべての人のためのデザイン」を意味します。
年齢や障害の有無などにかかわらず、多くの人が利用可能なデザインすることです。
右利きでも、左利きでも平等に不便さを感じないデザインと言えば分かりやすい。

それが最近、更に進んでユニバーサルサービスへの取り組みが求められています。
サービスというのは、縦割りで、健常者向きとか障害者用とか
区別するものではありません。
相手が誰であっても分け隔てなく対応するのが当たり前です。
ただしお客様は、置かれている立場や求めるニーズが違いますので、
そういった意味では接客・接遇に正解はありません。
マニュアルやノウハウというものは、一般的な傾向と対応にしか過ぎないのです。
ですからそれを唯一の方法と考えることはとても危険だと思います。
結果、私はマニュアルというものが嫌いです。
(勿論、ある程度の必要性は感じます)
大切なのは臨機応変な対応の心がけと
その繰り返しということになるのでしょう。
自分を鍛えるにはこれが一番いい方法だと思います。

老齢人口(65歳以上)の割合は、2013年には25%で4人に1人です。
ずっと先の事ですが、2055年には(私は故人になっているはず)、
40パーセントを超えると言われています。
今後の市場のリーダーは若年層ではありませんから、
多数派である高齢層をターゲットにした場合、当然ユニバーサルサービスに帰着します。
因みに、厚生労働省の発表(平成18年度)によれば、障害者全体は348万人、
その内、65歳以上の高齢者が占める割合は63.5%(221万人)です。

近視や老眼のためメガネやコンタクトで視力の矯正をしている人が付け忘れた時は、
日常生活に相当な不便を感じる筈です。
あるいは、風邪やインフルエンザに罹った時、誰でも辛いでしょう。
長時間立っているなんてとても耐えられません。
徹夜明けで受験勉強をしたり、朝まで寝ないで看病すると、普段より鞄が重く感じます。

不自由さや不便さを感じるのが、一時的なものか継続的なものかの違いや、
不自由さや不便さを感じる程度の違いは、見逃せないものではあります。
しかしそこで、それらの違いにとらわれる心のバリアを取り払うことが、
ユニバーサルサービスなのです。
全ての人にとっての・・・高齢層・若年層・健常者・障害者・性別・・
障害を取り払うための社会環境の整備も求められています。

携帯電話の普及で、視覚や聴覚に障害のある方の暮らしに利便性が増しました。
パソコンの普及も様々な人々の生活の利便性を向上させています。
肢体に不自由さがあり外出が困難な方は、情報収集や通信手段として有効です。
視覚に障害があっても、音声ブラウザやスクリーンリーダーというソフトを使い、
メールのやり取りやネットサーフィンを楽しめます。
このように、IT化で利便性が広がっている事実は大きいでしょう。

最後に、ユニバーサルサービスに必要なのは3点。
「知識」「意識」「気づき」です。

追記
FUNETでは、今年ユニバーサルサービスにも力を入れています。

では、約束の夏第二部を。
あれから、8年後。

出演メンバーが大きく変わります。
年齢が変われば設定も変わるので当たり前ですが。


投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年04月15日 08:30

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