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2011年03月31日

何をいまさら・・・(井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

先月、朝日新聞のURLに掲載された「お布施からのキックバック」について。
私が葬儀社で担当をしていた25年前、この問題で葬儀社を馘首される人が多かった。
その辺の事情は葬儀司会講習会で都度述べているのだが、
いや、葬祭ディレクター技能審査対策講座でも同様に述べているから、
かれこれ16年以上に亘って話し続けている事がらである。
受講生の数で言えば、1万人は下らないだろう。
「何をいまさら・・・」と表題の思いだ。

葬儀業者、僧侶から「仕事紹介料」お布施の4割の例も

実際にあった事例・・・私の体験に基づいたお話しをしたい。
ある葬儀で、僧侶の紹介をお願いされたのである。
当時は今ほどお寺の紹介は多くなく、それでも東京(この場合は品川区だったかな)
という土地柄から、月に1~2件は僧侶紹介の依頼が舞い込んだ。
ある僧侶派遣の事務所との契約で、僧侶一名につきお布施の6割を支払ってくれと。
残りの4割は紹介元である葬儀社の取り分になるというものだ。
因みに、僧侶派遣事務所の取り分6割の内訳は、
僧侶が4割、事務所が手数料として2割ということである。
普通は、こういう図式が出来上がっているのだが・・・

通夜の前日、枕経をお勤めに来ていた僧侶と遺族とが、
葬儀社立会いの下で、事前の打ち合わせ及び話し合いをされた。
宗派の名前は勘弁(悪気はありません)。
その話し合いでは、お布施の額を決めることが目的でもあるが、
戒名を決めるのに当たって、亡くなった故人のお人柄なども含めて遺族の相談に乗る
・・・という図式で進められたのである。
遺族は勿論、大変感激してくださったし、ある意味納得して、
この僧侶にお願いしても構わないとなったわけだ。
この程度の気の使い方は当時としても至極当然のことである。
単に派遣の僧侶を、右から左へ紹介するだけではなく、
少なくとも遺族の了解をいただくための時間や枕経をあげるなどの行為はあるのだ。
遺族は納得して、お布施の額を100万と決定した。
この金額は、枕経から初七日の法要まで一切含めています。
東京のお布施の額は、一般に全国平均より高めなのだが、
それでもバブルが弾けたばかりの時代とはいえ、
枕経から初七日の法要まで一切含めての金額としては、高額な金額ではなかった。

勿体ぶるわけではないが、この続きは明日。


では、昨日の続きです。
第10話、10-1.10-2(前編・後編)です。
全3部作の中の第一部の半分が終了です。
単純に計算して、この6倍以上の長さというわけですが、
第一部が22歳から就職まで、第二部が30歳~、そして第三部が40歳~。
どれも今の私より年下です。




投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2011年03月31日 08:00

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