« 春の出雲路 ~ 足立美術館 ~(加藤直美) | メイン | 春、葬儀司会を始めませんか(工場長こと古家寛) »

2012年04月04日

テレビドラマはいずれ (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

文芸〇〇に興味深い記事が掲載されていた。
CX(フジテレビ)で数々のトレンディドラマを生み続けた男O・R氏。
これだけで分かる人もいるとは思うが、
具体的には「T・ラブストーリー」とか、「101回目…」とか「一つ屋根…」等である。
「月9」と呼ばれる長寿枠の生みの親かもしれない。
企画・設定・キャスティングをプロデュースしたというより、
台本にまで随分口を出すから邪道だと、当時は言われたらしい。
現在では、その在り方が当然のようになっているけど。

若い頃、俳優を目指していた私はかつてのテレビドラマ、
例えば、山田太一、倉本聰、向田邦子らが描く作品に夢中になった。
今思えば、それらの作品には世界観の広がりがあり文学であった。
心の琴線を揺り動かす深い部分での感動を味わえた。

その頃のドラマとの違いはなんだろうか。
時代が違うので比較するのは適当ではないだろう。
がそれでも敢えていうならば…昔のドラマは最初から面白くなくても良かったのである。
回を追うごとに、様々に張り巡らされた伏線のお蔭で、
人間関係や物語の展開に深みが増して、ラストを迎える頃にはピークになるのである。
しかし、最近のドラマは最初から面白くなくてはならない。
最初からピークを迎えて数字を取らなければならない時代なのだ。
逆に言うと、最初が面白くて人を惹きつければ自然と視聴率という数字がUPし、
最後はそんなに面白くなくともトータルでは関係ないのである。(ちょっと極論だが)
別の言い方をすれば、起承転結や起承転転結では古すぎて、序破急なのだ。
だからこそ、各局は番線と称して俳優陣が朝早くから宣伝のしまくり。
数字を上げることだけが使命のようになって久しい。
そして各局の言を借りるなら「どの番組も魅力的で素晴らしい」ということになる。
視聴者はやがて気づくだろう…そんな宣伝の言葉に何の意味もないことを。

いつ頃からか、テレビが面白くなくなりドラマは観なくなった。
私は男であり、歳のせいでもあるのだろうが、
面白くないと実感しているのは事実である。
脚本が詰まらない時代である。
発想も底を尽きたか。
いつの間にか、時代の空気がテレビ界を追い越してしまったのか。
新しいメディアの登場と共に、かつてラジオが辿った道と同じ運命が待っているのか。
テレビで育った年代の人間としては何とももどかしい。

今、テレビが売れない時代に突入したようだ。
テレビという箱の中身もつまらなくなったが、テレビ自体も危うくなる時が来る。
世の中は変わる。
常に、変わっているのだけれど、いよいよの時まで人は気づかない。
モノも人も、時代に応じて変わらねばならない。

テレビドラマはいずれ…生身の俳優の時代ではなくなるだろう。
合成されたアンドロイドのような…例えば3Dのアバターのように…
いずれそうなるに違いない。


<PR>

葬祭セレモニー司会術のお知らせです。
4月19日と20日に東京で開催されますが、20日の研修を先に告知します。

4月20日、葬祭セレモニー司会術【キャリアアップ講座[実践編]】を実施いたします。
ベーシック講座を受講された方で、更に上のレベルを目指される方に適した研修です。
少人数限定のマイク実践型講座です。

尚、この研修の受講者には、時期を問わず使えるナレーション12個に、
4月~9月までの季節のナレーション6個、合計18トラック収録されたCDが、
研修資料として付きます。また豊富なナレーション・テキストも準備しております。
ご期待ください。詳細は、下記リンク先よりご確認ください。

葬祭セレモニー司会術【キャリアアップ講座】 実践編
≪葬儀「司会表現」徹底マイクトレーニング講座≫


そして4月19日、全国の葬儀社を対象とした、
葬祭セレモニー司会術【ベーシック講座】(ご好評につき追加開催!)が実施されます。
基礎的かつ実践的な葬儀司会習得を目的とした研修です。
主催は綜合ユニコム株式会社、場所は東京・飯田橋レインボービルになります。
ご興味の在ります方は、ぜひご案内ページをご覧ください。

葬祭セレモニー司会術【ベーシック講座】(第45回)ご案内


両研修とも、ご参加お待ちしております。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2012年04月04日 08:30

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mcpbb.com/blog/mt-tb-funet.cgi/2367

(C)MCプロデュース 2004-2013 All Rights Reserved.