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2005年06月25日

「あぁ・・・怖かった」  (石川 元)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

「ピピピピピピピピ・・・・・」(電車の危機迫る警戒音)
目覚ましのような音と共にうっすらと目が覚めた。
「急ブレーキです」
録音された女性の車内アナウンスと同時に、
ゆっくりとブレーキが掛かり思いっきりスローダウン・・・。
運転手さんがブレーキを掛けると、
自動的にこの警戒音とアナウンスが流れるのでしょう。

私の乗っている電車が止まった。
「(何事!?)」
慌てて外を見ると、辻堂駅を過ぎ去ろうとするホームの頭に
最後尾の私乗っている車両が止まっている。
「(キャ~!オーバーランだわ~)」
尼崎の列車事故が頭に浮かび、座席につかまるとすぐさま、
車内アナウンスが流れた。
「この電車は、人身事故を起こしました。ただ今から、救出作業を行います」と・・・。
この電車が人を撥ねてしまったというのだ。
爆睡していた私は、一気に目が覚めた。

快速電車に乗っていたので、辻堂は通過の駅である。
誤ってホームから人が転落したのか?
投身自殺か?
全く状況は分からないが、電車がホームに落ちた人を轢いてしまい
全車両が通り過ぎたところで、停車しているのは分かった。

私の乗っている最後尾の10メートルほど後には、
救出されている人が居るようだ。
ホームには、アッと言う間に警察官・救急隊員・レスキュー隊・
JRの職員・また野次馬の人だかりが出来ていた。
そして警察官は、事故の目撃者を探していた。

私らは電車に缶詰だ。(当たり前だが、扉も開かない)
最後尾の車掌さんの窓からは、後方の救出作業状況が見えるので
乗客は次々と最後尾に押し寄せ、車内も野次馬だらけ。
野次馬は、おばさんの代名詞のようになっているが、おじさんだらけだ。
しかも見たものを実況中継するおじさんには、ほとほとイヤになった。
私が別の車両に移動すればいいのだが、ここでどれくらい足止めを食うのか、
検討も付かないので、座っていたほうが楽だと思い我慢した。

以前ブライダルの司会で、電車の運転手さんを担当した時に
打ち合わせでの余談で、
「人身事故に遭遇した運転手は、乗客を守る為、急ブレーキは掛けませんし掛
かりません。運が悪かったと思うしかないんです。」
と言っていたのを思い出した。
運転手さんは、男の子に人気のある職業だが、
こんな時は後味が悪いだろうな・・・。
またおじさんの実況中継を聞く限り、
電車に轢かれてしまった方は、かなりひどい状況のようだ。
救急隊員・レスキュー隊員だって、それはそれは大変だろう。
この方という意味ではないが、負傷した方が亡くなれば、
葬儀社さんがご遺体を納棺する訳ですよね。
改めて専門職だと痛感すると同時に頭が下がりました。(ふぅ~っ。)

やれやれ・・・・
現場検証が済み電車が動き出したのは、約1時間後。
重い気分を引きずったまま、ようやく家に辿り着いたが、
夕方だったので娘も足止めを食らっていたらしい。
帰って来てブーブー文句を言っていたが、
私のように当事者だと文句を言う気にもなりません。(食欲減退)
改めて命の尊さと職業の厳しさを目の当たりにした出来事でした。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2005年06月25日 11:17

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