一人、抜群に上手な方がいた。
声のコントロールが半端なく巧みだ。
巧い、間違いなく出来る。
「あなたみたいな人が、秋の司会技術専門講習会に出てくれると僕は助かるけど…」
「…はあ…???」
講座終了後、彼が私の前に出て来て名刺を出しながらいった。
「こう云う者です」
「アッ、どうも」と立ち上がろうとする私を手で制し
「先生、私は5年ほど前に司会技術専門講習会に出てます」
「ヘっ…そうでしたか…あ~道理で巧いと思いました」
かくして、司会講座には相当な威力があることを実感したのです。
新卒の方がこんなに多いのも珍しい。
いやこれからは、これが当たり前になるだろう。
働く環境が整ったことが大きく影響したのか、それとも時代の変化か…。
大いなる未来がある若者が、やがて葬儀業界を変えていくことだろう。
講習の中身だが毎年少しずつ変化している。
今年はとにかく実践に拘りたいと思い、何度も何度もマイクが回ってくる。
そうすることで、口が回るし目も回る(ゴメン)、マイク慣れする、
人前で上がらない、声が聞こえてくる、自分と他人の違いが見えてくる…
等など、良いこと尽くしなのだ。
しかも、その時間は2時間…2時間も緊張しつづけるなんて…生きた心地がしない。
そんな訳で、3日間しごきのように鍛えられた28名の受講生は巣立って行った。
皆さん、いずれまた会いましょう…お疲れ様でございました。