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2010年12月14日

中国大連の研修記⑧ まとめ(工場長)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

大連の研修を簡単に纏めたいと思います。
視察した葬儀関連施設は、納骨堂の「大連金宝山陵園」、
墓地の「大連玉皇頂公墓」、大連の葬儀、火葬場「大連市殯儀館」の3か所。
サービスの内容は、納骨堂、墓地は近年に着工されたこともあり、
葬送文化の違いこそあれ日本とあまり変わらない施設レベルでした。
一方で、葬儀場や火葬場は日本よりも10年ほど遅れている印象でした。
(視察した場所の問題かもしれません)

特に「人材」レベルは全体的に良くなかったと感じます。
中国は、まだ質よりも「モノ」に価値が置かれる時代なのでしょうね。
人的な応対は粗雑というか、きめ細やかさに欠けている。
掃除も行き届いていない。
葬儀が入っていない式場で従業員がバトミントンをしていたことも、
意識の甘さを感じます。

ただ、中国のサービスの質の悪さは葬儀業界に限ったことではないのでしょう。
飲食店では、スタッフがまだ料理の残る皿の上に新しい料理を置くし、
椅子の足にヒビの入った席を案内する(実際に折れた)。
食事をしている客がいるのに、席の空いている場所では掃除を始める…。
土産屋では、高い値段で商品を吹っ掛けてくる(交渉すれば半額程度に)。
その値段では買わないと言えば、怒りの感情が表に出る…etc。
もしかしたら、サービスが低水準というより、
文化の違いなのかもしれませんが。

日本人が体験するからかも知れませんが、
飲食業も、販売業も、葬儀業も、サービスの質は日本の方が遥かに高い。
しかし思い返せば、日本の葬儀もサービスの質は高くなかった時期がある。
私の父や祖父母の葬儀を思い起こす限り、酷いものでした。
会館葬儀が主流になり、消費者がサービスとして「葬儀を選ぶ」ようになり、
葬儀社で競争が始まってから、今のレベルの高さが生まれているのかと思います。

中国大連は、今まさに経済成長の真っ只中。
経済成長率が年10%。建設中のマンションが、所狭しと林立しています。
人材も資金も、より成長する分野に流れているでしょう。
葬儀は最後に残された人材が担っているのでしょうから、
なかなか質の向上も見込めないの状況なのかもしれません。
しかし10年後は、日本と同じように変わってくる…と、期待したいですが。

人材面以外では、中国の葬儀は「紙」が活用されていることが印象的でした。
お金や物を燃やして天国の故人に送る習慣があるようですし、
造花もよく使われています。日本とは文化が違う部分もあるのでしょう。
「紙を燃やしすぎないように」という規制も出ているようですが、
環境に対する良し悪しは別に考えるとして、
日本でも葬儀に「紙」を使う余地があるのかなと思います。

葬儀の料金に関しては、物価を考えると、
葬儀料金は中国も日本と同じくらい、高い買い物になっているようです。
特に、墓地が高い。
価格表を見てもそうですし、現地ガイドさんも「墓が高い」と言っていました。
墓地の価格は、一般人の平均年収程度しますからね…。
葬儀も、火葬の料金表を見ている限り、日本とほとんど変わらないようです。
しかし、日本と違って寺院費用が無い。
一般的に葬儀で「読経」がないですから、
全体的には、寺院費用分が日本よりも割安になるでしょう。
日本のように、亡くなってから戒名を付けるような習慣もありません。

このようなところでしょうか。
もっと細部にわたって書けたところもあるでしょうが、
また、思い出す度に追記していきたいと思います。
とりあえずエッセイということで、ご勘弁を。
もう一度書きますが、葬儀サービスの質は、日本の方が高ことは確かです。

最後になりましたが、ご同行いただいた皆様に感謝しつつ、
締め括りたいと思います。ありがとうございました。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2010年12月14日 08:34

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