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2006年03月26日

偲ぶ会での服装について

カテゴリー : 質問コーナー

はじめまして
昨年末に知人がお亡くなりになり、
この度、その方の長年のご友人達で偲ぶ会をされます。
私も出席させていただきますが、服装は喪服がよろしいのでしょうか?
私は、経験豊富な年齢に達してはいますが、
このような会は初めてですのでどうぞ、お教えください
〈 山口県  k・k 〉

ご質問ありがとうございます。
おそらくこの偲ぶ会は無宗教で執り行われるということなのでしょう。
そうでなければ、服装についての疑問も生まれないでしょうから。
そして主催者が故人のご友人達だということですね。

このようなケースにおける偲ぶ会の服装について明確な規定はありませんが、
それだけに参列する側は迷います。
喪服で参列するべきか、それでは少し大袈裟にならないか…など。
ですから、服装についての案内があるのが一般的です。
例えば、故人とテニス仲間の集まりであればテニスルックでとか、
野球チームやサッカーチームの集まりであればユニフォームでとか。
このように具体的な指定があれば迷いませんが、
一番困るのが、平服でお越しくださいというパターン。
平服とは普段着のことですが、
パーティの招待状での平服は「略礼服」を意味します。
言葉通りに受け取ってGパンにTシャツでは居心地が悪いでしょう。
そこで偲ぶ会に於ける平服とは、
華美にならずに節度を保った服装ということでしょうか。
一番良いのは、主催者に直接お聞きすることです。
しかし服装についてお訪ねしても明確な回答が得られない時は、
集まる方たちの年齢や会場について教えていただき、
偲ぶ会の雰囲気を具体的に掴むことですね。
そして自分と故人との関係を考慮しつつご判断されたらいかがでしょうか。

さて、せっかくですから質問以外の雑談も少し。
最近は無宗教という言葉がよく使われるようになりましたが、
無宗教とは、宗教を否定する「否宗教」「非宗教」のことではありません。
(無宗教というネーミングがよくなかったかも)
無宗教で執り行うとは、セレモニーの中に、
特定の宗教儀礼を取り込まないということです。
別の言い方をすれば、宗教上の狙いを定めないともいえるでしょう。

ということは、宗教と名の付くものは「狙い」を定めているということ。
では「狙い」とは何でしょう。
一般にどの宗教も、表現は様々でしょうが「願行具足」(がんぎょうぐそく)です。
「願」とは狙いを定めること。
「行」とはそれに向かって進むこと。
「具足」は共に備わる(足りる)ということですね。
では分かりやすく2つ例を挙げましょう。
浄土系(浄土真宗や浄土宗など)では、
「願」つまり狙いは阿弥陀如来であり、
「行」はお念仏に代表されるような信心の行い。
真言宗系では、
「願」つまり狙いは大日如来であり、
「行」は儀軌(ぎき)と呼ばれる方法に則った信心。

さらに叱られるのを覚悟で、もっと分かりやすい例え話を。
拳銃を手にして、どの的を撃とうか思案しています。
狙うべき的は色々とあって、阿弥陀如来、大日如来、薬師如来、釈迦如来…。
どれに狙いを定めるかという「願」が宗派の選択、そして撃つのが「行」。
しかし、洗礼を受けても礼拝せずとか、檀家だけれども本尊知らず、
または仏門に入って信心せずの人が多いですね。
ひどいお宅では、所属するお寺の名称はさすがに知ってはいますが、
そのお寺の宗旨宗派を間違っていたりします。

何らかのセレモニーを○○宗で執り行うということは、
そこに宗教儀礼を取り込むということです。
それは「願」…狙いがあり、
「行」…信心の行いがある…ということになります。
一般にその辺の理解が欠如しているので、例えばお葬式の時に、
僧侶の読経がつまらなかったり、退屈に感じたり、
あるいは的外れに導師の姿勢が良かったとか、声が朗々として素敵だったとか
(そのこと自体は良い事ですが)…妙な部分にしか関心が行かないようです。

その関心の部分を故人へと一点に集約できるのが、
無宗教の良さでもありますが、一方で主催者サイドの力量…
セレモニーのプロデュース・演出能力…を問われることにもなります。
故人を偲んで集まって、思い出話に花を咲かせて食事をして…。
お酒が入るとつい話しが脱線し、故人以外の話で盛り上がる人も出てきます。
それはそれでいいという人もいるでしょうが、終わったあとの空疎感は否めない。
無宗教の難しさがここに存在しますが、要は宗教儀礼と同じで狙いを定めること。
それがプロデュースであり、演出なんですが…。

雑談ばかりが余り長くなってもいけませんね。
KK様の偲ぶ会が有意義なものである事をお祈りします。
ご質問ありがとうございました。
また、回答が遅くなりました事をお詫び申し上げます。
井手一男

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2006年03月26日 00:12

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