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2015年03月05日

今時こんなお寺様 (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

葬儀司会の現場に立たなくなって久しい。
私が現場に出ていた当時と比較して、大きく変わったと思うことの一つ。

 

導師の入退場時に、関西では全員が起立することは滅多になかったが、
関東では圧倒的に全員起立でお迎えすることが多かった。
それが最近、導師入退場の際、ほぼ起立をしなくなったようだ。
いくつか理由が考えられるが、近年は人口構造の変化からお年寄りが益々多くなり、
それに伴い足腰の弱い方が増えたから…というのもある。
だからこそ神道でも起立しなければならない箇所でさえお座りのままで進行する、
と云う配慮が散見するようになってきた。
その他、導師の入退場の際、式場という神聖な場所を態々
<ざわつかせる>必要もないだろう、という考え方も成り立つのだ。

また当時は「殿」と「様」の敬意についても、様≫殿(様の方が殿より敬意大きい)が
葬祭業界に浸透しつつあった時代であり、時として進行文言に登場する全ての人物は
「殿」で統一されたものを良く見かけた。
また、故人にだけ「殿」を使い、それ以外は「様」というのもあった。

最近、そんな懐かしい時代を思い出すような話を聞いた。
神奈川県にある有名な寺院を使用するということになり、
弊社の司会者が社葬の打ち合わせに伺った時のこと。

お寺様が云うには、司会の文言についての要求で、
開式の際「ただ今から~」と云う言葉は使わないでほしいと。
何故なら、その言葉は「時間の起点を指す言葉だから」と云う。
その代りに「ただ今より~」を使いなさいと。
「より~」は比較の基準だから、と云う。

「から~」と「より~」の格助詞の比較なんだろうけど、
色々と諸説があり、一筋縄ではいかない。
(興味のある方は、各自で調べてね)
こんなことに拘って、何が楽しいのか???と思うが、
私個人はどちらもOKだが、どちらか一つと云われれば「ただ今から~」を選ぶ。
儀礼・儀式の司会であって、時間の起点で構わないと思うからだ。

また、故人には「殿」を敬称として付けなさい、そして葬儀委員長には「様」を。
何でこんなことまで口を出すのかなあ。
葬儀委員長は、敬称略にするという発想がないのか。
オマケに、我がお寺では「かくかく云々のような一流の社葬もやっておりますので…」
と、過去の大きな社葬の話をされていたが、個人情報大丈夫か?
それに、その大きな社葬の司会も弊社で司会を担当させていただいたのですが…
とは流石に云いだせなかったよ。
(葬儀社が違うので、気づかないのかもしれません)

因みに、弊社の司会は「導師」と云っているのに、
「ご導師様」に直しなさいとよく云われるが、この時もそうでした。
二重敬語どころか多重敬語なのにね。

元来、私はよく僧侶と云い合いをしていました。
それが楽しかったし、面白かった。
悪い癖です。
でも、こんなお寺さん…懐かしい。

≪追記≫
諸説ありますが…

格助詞「から」は
1.動作・作用の起点を表す。
「~から~まで」で、時間的、空間的に動作の起点と終点を表す。

「格助詞「より」は、
1.比較の基準
 例「のぞみはひかりより速い。」
2.動作・作用の起点を表す。(古典的な言い方)
 例「横浜港より一路アメリカに向かう。」

現代語では「ホテルから~」が一般的で、「ホテルより~」は文語で使われた用法で、
現在でも文章語(あるいはかしこまった口頭語でも)で用いられます。
よって、どちらも間違いではありません。

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その中にある音声は全て予習してください。それが第一段階です。頑張ってください!
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投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2015年03月05日 08:30

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